白紙な君
君は真っ白なキャンパスみたいな人で
美しくて、可愛くて、愛おしくて、尊くて
存在自体が有耶無耶で
ずっとかくれんぼをしているような
純粋で【純白】という言葉が一番似合うような
でも少しいたずら気に微笑むのも素敵で
一緒にいて急に抱きしめたくなったり
そしたら、君は優しく諭すように言うんだ
一生一緒に居たくて
でも居れないことはわかっていて
君は誰のものでもなくて
今ここにいたらなんて想像したりするのが楽しくて
会うたびに新たな表情を見せてくれる
そんな君を大好きなのに
一番の君が更新されていくのに
こんなに好きなのに
ずっと見ていたいのに
目を覚ますと忘れてしまうんだ
君の顔を、暖かさを、優しさを、
思い出そう、そう何度思っても
記憶が曖昧なまま変わらない
匂いも仕草も全部わからなくなって
冷たい雫が頬を撫でる
次に会う時は違う君だろう
そしてまた、僕は君を忘れてしまうだろう
でも、それでも僕は君に恋してる
名前も知らない君に
だから僕は君をこう呼ぶんだ
【白紙な君】と
君を描こうとしたのは、いつからだろう
君のことを人の手で表現できるなんて思わないけど
何か縋るもの、君がいたという確証がほしくて
何度も、何度も、描き潰して
何回も、何回も、描き直した
でも本物の君を見ると、描くことが馬鹿らしくなって
描いたものももう何回捨ててきただろう
でも、それでも
何かに残したかった。
何かに縋りたかった。
君を覚えていたかった。
ずっと、ずっと想っていたかったんだ。
気づいたら僕は、年老いていた。
このヨボヨボになった体は、僕に君を描かせるということを、満足にさしてくれない。
もう幾分も君を見ていない。
恋しい、恋しい、君が恋しい。
いつだって君を想ってる。
いつまでも君を愛してる。
また昨日も会えなかった。
でも、この目を閉じたら一生君といられる気がするんだ。
確証はないけれど、絶対だと言いきれる。
だから、、、だから、君と会う前に一言、
「おやすみなさい」
おやすみなさい(-_-)zzz