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・婚約破棄・  作者: K
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なんとなく思いついたもの


「俺、レオン・ブルムガンドは悪女テレサ・バーキンとの婚約を解消する。」


先程とは打って変わり静まり返った学園の卒業パーティーでそうおっしゃったのは

私、テレサ・バーキンの婚約者でありこの王国の第二王子レオン様でございます。


私には前世の記憶というものがございます。普通のOLで携帯のとある乙女ゲームが大好きでした。まあそれに熱中しすぎて車に轢かれて死んだのですが。

前世の記憶を思い出したのは10歳の頃、私の好きな乙女ゲームの悪役に転生したのはショックですが持ち前の切り替えの早さでその頃貼られつつあったわがまま令嬢のレッテルを剥がすため色々な事をこなしました。ダンスや勉強なども頑張り少しづつ周囲の評価も変わったのですがただ一人、七歳の頃からの婚約者であるレオン様だけの評価が変わりませんでした。


「上っ面だけは、取り繕い始めたか、だが遅い俺にはわかっているお前の性根が腐っていることはな!」


まあ別にもともと推しでもなく政略なので特に何も思うことはなく放置気味でしたが、聞くだけ無駄でしたし。兄である、第一王子のクリス様の方は


「君はあの弟には惜しいな」


とお言葉をいただきましたが。

兄のクリス様は側室のお子様で、第二王子のレオン様は王妃のお子様でございます。ですので次の王はレオン様でございます。大丈夫でしょうか。

まあそんな日々が続き乙女ゲームによくある、学園に入学いたしました。

ちなみに攻略対象は第二王子、騎士団団長の息子、宰相の息子に教師でございます。もちろん隠しキャラは第一王子です。まあ学園は6年制で乙女ゲームは5年の時から1年間でございます。

まあ特に5年までは、王子との仲も解消されず、何もなくすぎました。

乙女ゲームのヒロインは、可愛かったですがそれはものすごい手腕でどんどんクリス様以外の攻略対象の方々を攻略していきましたわ。そのかわりどんどん私の悪評が広がります。まあ攻略対象の方々以外信じておりませんでしたが。

そしてついに卒業パーティー当日、レオン様がやらかしたのです。


「おい、何無視してるんだ」


あら自分の回想をしていたら睨まれてしまいました


「申し訳ございません、まさかこの場でいきなり婚約を破棄するとは思いませんでしたので」


ヒロインをちらりと見ましたが彼女は俯いていて顔は見えませんが肩が震えています。笑っているのでしょうか?


「ふん、この場であれば言い逃れ出来まい」


いや他国の方も来ているのですよ…


「それで、婚約破棄でしたね、何故とお伺いしても?」


「貴様が、アリアをいじめたからだ!」


あぁヒロインの名前はアリア様でしたね。


「私はやっておりませんしやる暇もありません、学園でも常に護衛が付いておりました」


次期王妃のわたしには王国から常に護衛がつけられております。


「なら護衛にやらせたんだろ」


「彼らの本来の上司は国王様なのでそんな命令できません」


「じゃあ取り巻きの誰かにやらせたのだろう」


「常に護衛がついてるって言ってるのですが、そんな命令してたらバレますよ、この国の騎士は優秀ですから」


「チッ」


舌打ちしました、思い通りに進まないからですかね。まあ護衛を付けてくれと国王様に言ったのは私ですからね、そうすれば監視の目というアリバイができますし


「貴様の事だ、小狡い手でも使って護衛の目を盗んだのだろう、なんでもいい貴様との婚約は破棄させてもらう、これは王太子の俺の決定だ!」




「ほう、いつからお前にそんな決定権があったのだ?」


あら、国王様の登場です。そういえば最初っからいらっしゃったのよね。なぜ止めて下さらなかったのかしら


「父上っ!」


「記念すべき日にこんなことを起こすなんて恥を知れ」


相当お怒りですわね


「しかしアリアに嫌がらせが起こっていたことは事実なのです!でしたらこの女しかありえません。俺に近づくアリアに嫉妬してたのでしょう」


はい?私はレオン様には政略以上の気持ちを抱いておりませんしそれは皆様も分かっております。


「はぁー」


あら、国王様もため息をついておられます。


「失礼、発言よろしいでしょうか」


いつのまにか隣にいらっしゃった第一王子のクリス様です。


「兄上?」


「レオン、いやがらせの話だが証拠はあるのか?」


「はい、私達も泥まみれになっていたり、制服を破かれていたり、暴漢に襲われそうになっているのを見ています」


そう答えた後、レオン様は後ろにいる攻略対象者たちを振り返ります。そういえば、逆ハールートでしたねこれ


「テレサ嬢がやっているのを見たのか?」


「いえ、現場には居合わせませんでしたが、その女しかいません」


「はぁ、話にならんな、証拠もなく推測だけで断罪しようとしたのか」


「ですが、アリアがテレサだと思うと言ったのです。その女以外いません」


「黙れ、なら今テレサではない証拠を見せてやる」


そうして出されたものは監視の魔道具です。あれも私が頼んだのですよね。


「それは」


「監視の魔道具だこれに全てが写っている、これは王族以外いじってはいけないから偽造もできんぞ」


そこにはアリア様が自作自演をしている映像が映っておりました。


「知らないわよそんなの!やってない!」


「そんな、バカな」


そう言って攻略対象者達はアリア様から距離を取ります。


「本当にやってないわ!信じてレオン!」


「もうよい、これでわかっただろう。衛兵っこやつらを連れて行け」


「私はヒロインだから幸せにならないといけないのよ!」


アリア様は叫びながら、攻略対象者達は黙って衛兵に連れてかれます。


「皆、愚息が申し訳なかった、これからは第一王子の、クリスを王太子とする。クリス、何かあるか?」


「はい、承りました。そうですね、テレサ嬢に婚約を申し込みたいです」


あら、前世の推しから婚約を申し込まれました。


「テレサ嬢、愚息が迷惑をかけた後だ断っても良いぞ」


王様は心配してくださいますが断るわけありません


「いえ、喜んで承ります」


そうして乙女ゲームは、終わりました。

攻略対象者達は実家に軟禁され、アリア様はいい噂の聞かない貴族の方に強制的に嫁がれました。


「君をやっと手に入れられた」


クリス様はそう言って私の手にキスを落としました。






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