第5話 言うほど見えない。
僕の書く関西弁は色んなのが混ざってると思います。不快な思いをさせたらすみません。ちなみにアンナは大阪の北摂らへんのイメージです。
「あいつホンマどないなってんねん。夕飯の時間遅らすとかいっちゃんしたらアカンやろ。太んぞ、アタシ太って歩けへんくなるぞ。」
食堂に座ってイライラを吐き出す。
せっかく山菜のフライ食べれんのに、どこで油売ってるんあのボケは。アホでも飯の時間ぐらい守れや。アカン、アタシ絶対あいつとプライベートで旅行無理や~。
いや、そもそも仕事が旅みたいなもんやのにプライベートでも旅行せえへんか。こりゃ一本取られたなぁ。あっはっは。
「ってちゃうわ!!何自分に感心してんねん。腹減ってんのに。」
それにプライベートとかそんな貴族みたいな言葉使わんわ!お〜怖。
「あの~、すみません。もうそろそろで食堂の時間を締め切らないといけないのですが、いかがなさいます?」
エリンさんが申し訳なさそうに言ってくる。
それもそうだ。もう10の刻だから締め切るのが普通だろう。
しょうがない、私だけでも食べて、帰ってきたら自慢してやろう。
「すいません。アタシ1人分だけお願いします。」
「はい、かしこまりました。」
これは帰って来たら半刻の正座コース決定やな。
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「ミスったな、どうしよう。これは本格的に道に迷ったぞ。」
とりあえず疲れたので地面に座り、星を見上げて見る。こんな田舎だからか、たくさん見える。ふっ、こんな時でも綺麗だな。自分がちっぽけに思えるぜ☆
小一時間程森を抜けようと頑張って見たのだが、何度も同じ所を行き来するので頑張るのを止めた。諦めって大切だよね!
はっ、そう言えば、アンナは星を見て自分の現在地が分かってた!
俺もそれを使えば!!やってやるってばよ!!!
「いや無理だわ、どの星をどう見たら良いか分からねぇ。ってかそもそも俺目え悪いし。両目でせいぜい0.5だから。」
さっき綺麗だの何だのと思ったが、よく考えてみれば言うほど見えてない事に気付いた。
「でもこうして居るのも何だしな。休憩も終わったしもっかい頑張ってみるか。」
立ち上がろうとしたその時、カサカサっと草むらから音がして「ひゃいっ」と幼女の様な声が出た。
ベッベベベ別にビビってねぇし!
ちょっと幼女のモノマネ練習してただけだし!
俺は背負っていたフォークを手に取り、音のなった方向に構えをとりながら、何かの出現を待った。