Lv.8‐伸ばされた手、伸ばす手
※内容の加筆修正の為に一旦、削除して上げ直しました。ご迷惑を掛けて申し訳ありません。
「わ!雪だるまが動き出した!!」
「最初にしては上手いな、セツナ。さ、これがセツナの兵士…アイスゴーレムだ」
"兵士"って、こういう事!?
そう、シェルリさんに連れて行かれた小屋先で私は小さな雪だるま…手の平サイズを作り、そこの額に『M』の文字を入れさせられた。
どうやら、私が"氷雪の命"を使うと意識して、自作した"雪・氷"の人形…に文字を書くと、力が使行される様だ。
ただ、これを使う時は私の体内の"霊力"を使うとの事で、良く分からないが生命維持活動に係わるので、作り過ぎと巨大化させ過ぎには注意と言われた。
えー、何それ~…。
と最初思ったが、実際こうして"雪だるま兵士?"を作ると…"マジ"だったのかと考えをアッサリ変えた。
そして私が"わあわあ"と雪だるま…アイスゴーレム?と戯れていたら、私の隣りにシェルリさんが座ってきた。何かな?
「…俺の事は…今は黙っていて欲しい。色々……、君の為に教えてあげるから…」
「え…」
何で困り顔?それに、まだ色私に教えてくれるの?まだ、あるの?
そして不思議にマジマジとシェルリさんを見ていたら、急に額に指を突きつけられた。
"トン"と軽く押された指先から…
「それに、俺が近くに居れば、ホラ…」
―ビ…ビビ…ッ!!!
「うぁ!?」
な、何!?今の、ビリビリと来る感覚と、その後の開放感…って、視線の高さが上がっている…?
「―……ン?シェルリさんの顔が近い、です?」
「それはそうだよ。セツナは今、まだ一時的だけど本来の姿に戻っているからな」
「…はぁ!!?」
そして私は視線をシェルリさんに合わせたまま、両手で自分の身体をまさぐってみた。
大きく無いけど、二つの胸の膨らみに…馴染みの弾力の腕と脚、胴回り…。
確かに、全部自分だった。"元"の自分だったのだ…!
「"生命の軸"に係わる"霊力"を正常になるように治療して、君を元の姿に出来るよ。俺は気の流れをある程度整えられるんだ」
「…!!」
え、え、え!?でも、何で分かったの!?
「…"こっちの目"で見れば、あの子供の姿が本来でないのなんか、直ぐに分かったよ」
「あ…っ?」
眼帯の下の目?あ…こっちは瞳の色が"黒地に金の瞳孔"なんですね…。
そして私は"ポン"という軽い音を一つ出して子供の姿に戻ってしまった…。戻るのが早すぎて…がーん。
ショックを受けている私を見ながら、シェルリさんが話し始めた。
「そして"氷雪の命"があるから、君はさっき"雪"が操れた。だから、俺は確信したんだ」
さっきの…旋風と雪片の事かな?
それに私の中に…何かが弾けてしまいそうなジリジリとした物があったけど、今回の危機で覚醒に至った?
「セツナ、君は本来はこの世界の住人ではないな?」
「う!?」
「"氷雪の命"を持った人物は、"この世界では生まれない"んだ…」
「………」
私が驚いた表情をしていると、シェルリさんが「俺の一族にそう伝わっている」と言葉を繋いできた。
そう言えば、シェルリさんは"氷狼一族の末裔"なんだっけ?
…末裔って事は、氷狼一族は今は…?
「…ああ、それとアイスゴーレムを創る行為は、セツナの生命を切り売りしている状態だからな」
「へ!?私の、"命"!?」
「そう、"量"と"大きさ"はだから大事なんだ。消費して創造するからな。まぁ、生命力は回復はするけど、"生命力 = 体力"じゃないからな」
「じゃ、何です?」
「"生命力 = 霊力"」
れいりょく?
「そして、この世界に落ちた事で、"生命"の"維持・活動部"の大部分が捩れてしまったんだ」
ええ~~~?そんな事が?
「…でも、その膨大な"霊力"はどこからきているんだ…?」
「………」
…そう言えば、私が滑った山はナンタラ"霊山"だったような???
は…ははは…?
「…霊力を上手く操れる様にならないと駄目?」
「そうだな」
ふ~~ん?
「それなら、シェルリさんが私の"先生"…"師匠"になって!」
「セツナと師弟関係に?」
「だって、私にまだ色々教えてくれるんでしょ?」
「それは…。…そうだな、分かった」
「ヤッタ!」
まだまだ問題や謎が多いけど、私にそんな能力が授かっていたとは!
鼻息荒く妙なヤル気に満ちている私の隣りでシェルリさんは、少し困った顔で笑っていた。
…何でだろう?
―……そして、シェルリさんとの衝撃?の師弟関係を結んだ数日後…つまり、山小屋の最終日の朝に…
「―…セツナ、迎えに来たぞ!」
「ラーイさぁーん!」
ここに…ラーイさん達が本当に帰ってきてくれたの!
朝陽の中に、サクサクと雪を踏み締めながら三人が山小屋に戻ってきてくれた。
私はたまたま外に薪を取りに出てて…それと全部放って、ラーイさん目掛けて駆けた。
シンさんもフェンさんも居たけど、二人ともラーイさんへ駆けていく私へ道を開けてくれた。
そして、"ガシッ"と!"ギュゥウ"と!そりゃ、もう…ええッ!!
「…ぁ…、あいたかった…、です…!」
「セツナ…」
こんな風に必死になって人に抱きつくなんて、したことない。
ラーイさんに不思議と惹かれていく、この感覚は何?
精神的な何かが、ほわほわって温かくなってくる。活力的なのがチャージされていく感じ?
そんな感じで…あったかいです!安心感があります!……瞳が勝手にうるうるしてきます!
ラーイさん補給しておこう!…変態じみてるな、自分…!でも、興奮が何故か止まらないんです…!
ちょっと暴走気味にラーイさんにしがみ付く様にしたら、ラーイさんも私の事、"ぎゅ"ってしてくれて…。
ああ、セツナ……しあわせ…です…。
―くん!
そんな幸せ真っ只中な私の服を引っ張って来たのは、シェルリさん。
ああ、そうだよね、シェルリさんの事…ある程度ラーイさんに説明しないとね!
「セツナ、その…後ろの…は?」
言葉はまだ全然理解がされてないと思うけど、気持ちは伝えないと!
そこで私はシェルリさんを抱き寄せ、ラーイさんの服を掴みながらお願いしてみた。
ううぅ~~!ドキドキしてきた!!
でも、シェルリさんの事、上手く伝わります様に…!
「…あの、ラーイさん、この子も、一緒に…連れて行きたいのですが!」
「うわうっ!」
「……隻眼の、白狼…を?」
「はい!」
「わふ!」
「………」
「………?」
「………ぅ?」
「…………」
…あれ?ラーイさんが固まっちゃったよ?
ナゼっ!?