合コン - 2 -
「さーて、はじめましょうか。みんなの幸せなお楽しみ会に、カンパーイ!」
「カンパーイ!」
「お楽しみ会ってなんだよー!」
目立って超美人みたいな子はいないにしても、女の子たちはそれぞれにキラキラしていた。それにひきかえ、何も戦い方のわかっていない男たちの集団。
結局まさるにオススメされるままに、ちょっとオシャレな服を着てきてしまった僕は、顔に似合わず服が浮いているんじゃないか…と、そんなことばかり考えてビールを飲んでいた。
「悠さんの、そのジャケット素敵!」
「どこで買ったんですかー?」
目の前に座った、茶髪の女の子2人に質問攻めにあった。そしてまさるに聴いた情報を、横流ししていく僕。
「すごいすごーい。オシャレー。私もその店のオンナ物見に行ってみようかな。バッグとか」
「アカネちゃんバッグ欲しいって、この間から言ってたもんねー」
服をずっと褒めるのって、中身はほとんど見ていないよな…と昔から思っている自分がいた。センスを褒めていればまあいいが、似合ってるかはとやかく、服だけ、持ち物だけ素敵素敵!と言うのは、正直なところ理由がわからない。
『大丈夫です。服は褒めとけば、その人自信が褒められたことになるものです』
こんなことを言って割り切っているまさるは、どんな環境で育ってきたんだろう。
「席替えしまーす」
「えーはやいー」
「待ってたよー!幹事長ー!」
「いや、幹事は俺一人で、誰が幹事長やねん」
クジ引きで席替えして、次に隣になった子は、ユキと名乗った。
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