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love affairs。

 「賑やかなここでさよならしよう」

「そうだね」


花火が終わり帰る人ごみの中、咲良は言った。

人がいない場所は淋しさが一段と増すから…せめて賑やかな所で…。

僕も咲良と同感。


「新学期からはただの同級生ね」

「うん、ただの同級生」

「じゃあね」

「うん、じゃあね」……


 

 花火が終わり帰る人達…。

私とひなたはしばらくの間黙って座っていた。

花火の後の淋しい感じがすごく嫌い。

いつもそう思う…。

もうそろそろ言わなきゃね。

私はゆっくりと口を開く。

「じゃぁ…ここで」

「…そうだね」

私は立ち上がりをひなたを見下ろす。

「ひなた」

ひなたは私を見上げゆっくり立ち上げると

「送っていかなくても大丈夫だよね?」

ニッコリ微笑む。

「うん」

「じゃぁ…」

「さようなら」

ひなたの姿が私から離れるのを背中で感じる。

私はひなたが去った後もしばらく川原ですわり花火の後の余韻を感じる。


「茜ちゃん?」

私を呼ぶ声に振り向く。


僕が呼んだ名前に、茜ちゃんが振り向いた。

「瞬?」

「何してるんだよ、こんな所で…」

僕はかけて茜ちゃんの隣に座る。

「咲良ちゃんは?」

「咲良の兄貴は?」

二人して同時に聞く僕達。

「終わりにしたの…」

茜ちゃんは微笑むとそう答え、僕も微笑むと「僕達も終わりにした」と答える。

「あはは…可笑しいね」

「ほんとだね」

二人で笑う。

川面に映る、揺れる月。

「花火の大会の後ってなんか淋しいね」

茜ちゃんは川面を淋しそうな顔で見つめて言う。

「うん、僕今日初めて知ったよ」

「瞬…」

「ん、何?」

「私、瞬が好き」

僕はそっと茜ちゃんにキスをする。

「僕も茜ちゃんが好きだよ」

茜ちゃんもお返しの様に僕にキスをする。

そして、僕の首の後ろに手を回す。

「茜ちゃん…」

僕は茜ちゃんの背中に腕を回しぎゅっと抱きしめ返した。



 瞬くんと別れ、急いで家に帰る。

玄関の電気がついてる。

私は思いっきり玄関のドアを開け、「お兄ちゃんっ!!」と呼ぶ。

お兄ちゃんはニッコリと微笑みながらリビングのドアを開け

「何だよ!お前らしくないでかい声出して…」

「お兄ちゃん」

「あ〜あ〜、浴衣姿で走ってきて、どうしたんだよ」

お兄ちゃんの顔を見たら自然と涙が溢れ出す。

「…」

「何泣いてるの?」

私は下駄も脱がずにお兄ちゃんの所まで走り、

「お兄ちゃんっ」

「こらっ!!お前、下駄のまっ…」

下駄を指差すお兄ちゃんに抱きつきキスをする。

「お兄ちゃんっ」

「こらっ、咲良っ…」

「お兄ちゃん」

お兄ちゃんは私の首に顔をうずめ、首筋にそっとキスをする。

そして私とお兄ちゃんは唇を重ねながら座り込み、慌てた様に服と浴衣を脱ぐ。

「お兄ちゃん…」

裸のお兄ちゃんと私。

「大丈夫、咲良…?」

そっと頷く私にお兄ちゃんは優しく微笑み、キスをする。

「お兄ちゃん」

私はお兄ちゃんの足の上に乗っかりお兄ちゃんの首裏に腕を回しお兄ちゃんをぎゅっと抱きしめる。

「咲良、苦しいよ」

何日振りだろう?お兄ちゃんの肌に触れるの…。

何日振りだろう?お兄ちゃんに抱かれるの…。

すごくホッとする。


 

 僕と茜ちゃんは手を繋ぎながら家に帰った。

二件とも家の明かりはついていない。

「きっとカラオケだね」

「あ〜、あの不良両親」

「ウチおいでよ」

「うん」

なぜか急に心臓がドキドキしてくる。

今までは自分の気持ちに気づいていない上の茜ちゃんとの接触。

今、僕と茜ちゃん二人きりなんだ。

こんな事思うのは初めてな感じがする。

「アイスティーでいいよね?先に上行ってて」

「あ、うん」


 僕は茜ちゃんの部屋の窓を開け、咲良の部屋を見る。

「お待たせ」

浴衣姿のままの茜ちゃん…。

「浴衣脱がないの?」

「あ、忘れてた」

「いいよね、女の子の浴衣姿って…なんかドキドキする」

「ふ〜ん、そういうもの?」

茜ちゃんはアイスティーのグラスを僕に手渡しながらそっとキスをしてくる。

「しよっか?」

「親…帰ってくるよ」

「…きっと午前様だよ」

僕も茜ちゃんの目を見ながらそっとキスのお返しをする。

「あっ」

グラスの中のアイスティーが少しこぼれ茜ちゃんの浴衣が少し濡れる。

「大丈夫だよ」

「…」

茜ちゃんの浴衣の帯にそっと手をかけ、キスをしながら帯を外す。

スルッと帯が落ちるとと浴衣の中から程よい肌色の綺麗な何も着けていない茜ちゃんの肌が現れる。

「瞬」

僕は今日初めて茜ちゃんの裸体をゆっくり見る。

「茜ちゃん綺麗だね」

「そんなまじまじと見ないでよ」

茜ちゃんは顔を真っ赤にし浴衣を体に巻き着けようとする。

「いいじゃん」

「嫌だ」

茜ちゃんは顔を僕からそらし、窓の方を見た。

「あっ」

僕も茜ちゃんが見る方を見る。

薄い桜色のレースのカーテンがゆっくりと風に靡いている。

僕と茜ちゃんは息を吸うのも忘れるかの様にじーっと咲良の部屋を見つめた。

電気の明かりで見える、部屋の中。

でも以前のように二人の姿は見えない。

「茜ちゃん」

「あ、ん?」

僕は茜ちゃんの肩からゆっくりと浴衣を下ろし、茜ちゃんの体をベットにゆっくりと倒す。

そして僕と茜ちゃんは愛のある行為に身を泳がした。

ノートパソコンを取り上げられ、デスクトップの慣れない画面、慣れないキーボードに苛々しながらの執筆。(そんな事どうでもいいか?)

次回、最終回にしたいです。

感想お待ちしております。

      希凛希。

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