花の華。
今週中には終わらせたかったけど終わりそうもありません。(涙)
お兄ちゃんの気持ちと言うかお兄ちゃんがよく分からない。
私との関係を止めないとか、ママに好きだと言ってるかと思えば、茜ちゃんによりを戻そうとか言ってたみたいだし…。
お兄ちゃんという人間が分からない。
私には、もう一つ分からない事がある…瞬くんも分からない。
男の子はやっぱり愛がなくてもできるんだ…でも、茜ちゃんとの行為は愛があるように見えた。
好きな人のそういう行為は当たり前だけど見たくなかった。
瞬くんは私とお兄ちゃんとの行為を見て正直どう思ったんだろう?
考えると涙が自然に溢れてくる。
「ただいま〜」
ママは仕事が忙しく遅い帰宅。
こっちに帰ってきてもいないのと一緒。
「お帰り」
最近ママと電話すらしてなかった。
ママは歩きながら携帯電話で話し、右耳のピアスを外す。
そんなママ…私と似てるのかな、顔が似てるのかな?じっくりと見て見る。
性格は…どっちかと言えば正反対。
顔が似てるからかな?
「あー最近なんか調子悪いわ。咲良、ママお風呂入ってくるわ」
ママの口から調子悪いなんて初めて聞く。
「あ、うん」
けど、私はそんなママの言葉も気にせずTVに目を向けた。
TVの中の人達は楽しそうにお笑い芸能人のコントに爆笑してる。
私は…泣きたい。
もうここから逃げ出したい。
見ていたTV番組が終わり、私はぐっと背伸びをする。
あれ、ママがお風呂に入ってから一時間以上経つような…。
気づかなかったのかな?…そのまま寝室に行ったのかな?私は不思議に思い、
「ママ〜」
洗面所を覗く。
返事がないのにシャワーの音がする。
すりガラス越しに見える人影。
「ママッ!!」
流れるシャワー…。
ママは浴槽にもたれる様に倒れている。
「お兄ちゃん来てっ、早く〜助けて!!」
普段絶対出すことのない異常なほどの大きな私の声に驚きお兄ちゃんは急いで自分の部屋から
降りてくる。
「どうしたっ!?」
「早くっ、ママがっ、ママが…」
…それからの事は覚えていない。
病院の遺体安置所に永眠るママ…急いで香港から帰ってきた泣き崩れるパパ…涙も見せない生気のないお兄ちゃん。
黒い礼服、沢山の人。
忙しく日々は過ぎた…。
数少ないここの家でのママの遺品を整理する。
あんまりママとの記憶がないように感じる。
お葬式が終わってから、お兄ちゃんはずっーと部屋に閉じこもりきり…。
暑い太陽、煩い蝉…。
「あっ、そう言えば…瞬くんと海に行ってない。」
いっぱい計画立てたのに…。
瞬くんと茜ちゃん、二人のあの時の姿がまた頭に浮かぶ。
「あはは…」
なんか笑っちゃう…可笑しくなんかないのに…。
涙と一緒に笑いが止まらない。
「もうダメだよ…私」