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夢想花  作者: ことみ
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プロローグ

ここは宋の国。私の名前は神崎 鈴音(かんざき すずね)18歳。日本の女子大生をしていた。専攻は幼児教育。いずれ幼稚園の先生になりたいと思っていたものだ。しかし、現実はそうではなく宋の国にトリップしてしまい困り果てていた私を、宋の国の重鎮である、李 斉蓮(り せいれん)様に保護され、養女にしてもらった。斉蓮様は優しく、温厚なお方で、本当の父のように思っている。


鈴音(すずね)様。旦那様がお呼びにございます。ご足労いただけますでしょうか?」

「ええ、ありがとう、琉香(るか )。それでは、支度をしなくちゃね。お願いできるかしら?」


かしこました、と琉香は私の支度をしていく。ここでは、養女の私でも当主である斉蓮様にお会いするには略式の服装にならなくてはいけない。私のお世話係は何人かの侍女がいるが、筆頭は琉香だ。彼女は私と年も近く、いつも付き従う筆頭の侍女だ。今日もいつものごとく衣装を選び、丹念(たんねん)に化粧を施し、琉香の先導のもといつものように、斉蓮様のお部屋へ向かう。よく話すことが多いけど、こんな朝早くからお呼びなんて珍しい。なにか、あったのだろうか?


「琉香。朝早くのお呼び出しのこと、何か聞いている?」

「それは、旦那様自らご説明されるそうですわ。お早くいきましょう」

「わ、わかってます。まだ、衣装の裾が長いのに慣れないんだもの・・・・・」


略式の衣装といえど、上質の布が使われている。この国の女性なら普段着なのだろうけど、私にしてみたら普段着からおしゃれ着に入るけどなあ。。そうこうしてるうちに、斉蓮様のお部屋についた。先触れの琉香が、伺いのノックをする。内からどうぞ、と声がかかりゆっくりと扉が開かれる。眩しい光の中、斉蓮様と・・・もう一人、若い男・・・・?


「失礼します。鈴音様をお連れ致しました」

「ご苦労、琉香。さがってくれ。あとでまた呼ぶから」

「承知いたしました。何かありましたら、お呼びくださいませ。失礼いたします」


そういったやり取りの後、琉香は下がり、部屋には斉蓮様と私と、若くて気品のある男の3人に。みるからに威厳のある顔立ちや雰囲気だけど、今までに見たことないけどなあ・・・??一応、淑女の礼をとり挨拶をする。


「お初にお目にかかります。李 斉蓮(り せいれん)が養女、鈴音(すずね) にございます。本日はお越しいただき誠に恐縮でございます」

「いや、急にきたのはこちらの方だ。朝早くにすまないな、斉蓮、鈴音」

「いいえ、我が君。行啓(ぎょうけい)いただき、感極まってございます。本来なら、こちらから行かねばならぬところを・・・」


深々と我が君、と呼んだ方に臣下から君主にする最高礼をしてるのを見て、目の前の男が高貴なる身分であることがわかる。行啓、というのは王妃・王太后・王太子。王太子妃が外出することをいう。 行幸(ぎょうこう)が王が外 出することをさすみたいだ。詳しくはわからないけれど。。


「鈴音。こちらのお方は、この国の王太子、緋 紫蘭(ひ しらん)様。御年20歳であらせられる。

御存じだね?」

「はい。もちろんにございます。それで、私がよばれたのにはどのような理由がございましょうか?」

「それは、私が申そう。鈴音、そなたに頼みたいことがある」

「頼みたいこと、にございますか・・・・・?」


やんごとなき身分のお方が、重鎮の屋敷にきて、そこの養女に頼みごと・・・?いったいどんな頼みごとなんだ。なんか、想像つくけど、なんか聞きたくないような・・・


「そうだ。そなたに、しばらく王太子宮で暮らしてもらいたいのだ」

「・・・聞いてもよろしゅうございますか?」

「堅苦しいのはよせ。そなたも、言葉遣いに慣れぬ様子。くだけた物言いでかまわん」


なんでわかった、と言いたいが相手は偉い身分の人。くわえて、養父は国の重鎮で私を保護してくれた人。くだけていいっていってくれてるんだ、それでいいじゃないか。


「では、失礼して。どうして、そんな大事なことを私に?もっと、ふさわしい人とかいないんですか?」

「頼みたくとも、腹のわからぬやつばかりでな。斉蓮が保護している女性がいるときいて、人柄などを日々聞くうちに、そなたならと判断した。国の重鎮たる斉蓮の養女たる鈴音に、王太子宮で暮らしてもらう。もちろん、正妃候補としてだ。よろしく頼む」


よろしく頼む、って拒否権は・・・ないわよねー。。あったら、こんな朝早くからよばれないはずだ。仕方ない、斉蓮様に迷惑はかけれない。暮らすだけならいいわよ、暮らすだけなら。候補なら、あとで理由つけて帰れるだろうし。そう思っていた私の考えが大きく(くつがえ )されるとはこのときは思いもしなかった。




初書きです。応援よろしくお願いします☆

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