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聖なる夜は旅人と  作者: 恭介
序章
1/3

ふたりの行く先は




真っ白な雪が降り積もるだけの場所。



小柄で華奢な体つきをしている少年が問いかける。



「ねぇ、次は何処に行くんだい?」



しかし、しばらく待っても返事が返ってこない。



それにイラつきを覚えたのか、今度は強めの口調で



「おい!次はどこだと聞いてるんだっ!!」



上を見上げて相手の顔を見る。



身長の差が激しいのか、少し苦しそうに見上げていた。



「そんなに大きい声出さなくても聞こえてますよ」



おおらかな印象を受ける、優しい笑顔の青年。



「だったら最初っから返事をしろ!こっちが馬鹿みたいじゃないか!」



口を思いっきり尖らせ、相手を睨みつける。



「ははっバレました?ちょっと面白いと思ったので……」



ふと、何かを思い出したかのように、首に掛けていた懐中時計を出し時間を確かめ始めた。



「ちょっとふざけ過ぎましたね。少し急ぎましょう」



「ふん。全く僕が大変になるだけなんだからね。しっかりしてよ」

 


やれやれといった感じで肩をすくめる少年。



物の言い方が上から目線で少し憎たらしいが、相手はそれ何も言わず流した。



少年も分かっているのか、何も言わず正面へと真っ直ぐ手を伸ばし、沈黙する。



すると、手に光が宿り、空間の歪みが開く。



歪みの向こうは闇しか見えず、先が見えないほどの暗さだ。



「では、行きましょうか」



そう言って微笑み、怯えることもなく歩き出す。



「…でしゃばりやがって。僕がやったのに…って置いて行くな―っ!!」



少年も闇を恐れることもせず、置いていかれないようにパタパタと走る。



そして2人は空間の歪み――闇の中へ消え去った。






これは小さな奇跡と願いのお話である







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