[第4話]この砂時計は世界に1つ
[第4話]この砂時計は世界に1つ
「サヤ!!!」
俺はめいいっぱいの声で叫んだ
それでも間に合わなかった。
サヤを跳ねた車は公園の入口にのめり込み
中を横目で確認すると中でぐったりしている運転手
「なにやってるんだちきしょう、」
あの1年は夢じゃなかった、
今目の前で起きた事故が徹底的な証拠だった
俺は絶望した。
未来を知っていたのに、
知っていても守れなかった。
なんて情けないんだ。
でも絶望しているヒマはない
俺は急いでサヤに駆け寄る
「サヤ!」
「はは、君の言っていたこと、
本当だったみたいだね」
「喋らなくていいから!待ってろ
今救急車呼ぶから、
今なら間に合うかもしれない!」
「うん、でももう間に合わないかも」
「そんな事言うな!、」
俺は焦ってスマホを開く
そこにはやはり砂時計が表示されていて
残り少しになっていた。
そしてどこを押そうが電源を再起動しようが
その表示は変わらない
ドンドンぐったりするサヤ、
ドンドン落ちていく砂に俺は焦りが加速していた。
震える手で思わずスマホを地面に叩きつけた
「くそ!!未来は変えさせないってか!!?
このやろう!!」
俺は柄でもなく大きな声を出した
するとクイとサヤが俺の服を引っ張った
「いい?話を聞いて」
「……!ああ、なんだ」
もう、無理だ。
俺もどこか心の中で思ってしまい
サヤの手を握った。