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・王都へ帰る
「僕に何のようだい?」
森を抜けて王都が見えて来たところで勇者は一人でに問いかける。
「森の中で常に監視していた事は分かってる。
もう開けた場所だ隠れる事もできないだろう?」
勇者の問いかけに勇者の最後の木々から黒装束の人間が5人ほど姿を表す。
「良く我らの気配に気づいたな。
だが、もう少しここで待て」
黒装束の男達は勇者を逃がさないように円状に囲う。
「穏やかじゃ無いね。
僕に何のようだい?」
勇者はあくまで冷静を装い黒装束の男たちに問いかけるが、何も返事は帰ってこない。
すると勇者の目の前で突如白い札が何も無い空間から出てくると、続々と数を増やして人型に集まっていき一気に白い札が散開するとそこには黒装束の男が立っていた。
首元を覆うマフラーの色が白色であり、周りの黒装束の人間と少し違った独特のオーラを放っており、リーダー格の人物だという事が感じられる。
「遅くなった。
だが任務は完了した」
そう話す現れた黒装束の男の手にはアナテマの首から上の頭部が握られていた。
「まさか、、!!
その子をやったのか!!」
勇者は怒りのあまり声を荒げて剣を引き抜く。
「当たり前だ。
こいつは四天王の一人だぞ。
王国に害のある者は何であれ対処する。
それが我々の役割だ」
リーダー格の男はアナテマの頭部を別の黒装束の者に投げ渡すと勇者に向かい直す。
「それがもう無害な一人の少女であってもなのか!?」
勇者は怒りで声を荒げるがリーダー格の男は淡々と話を続ける。
「無害かどうかはお前が決める事ではない。
我々が決める事だ。
そして我々は危険人物を見逃したお前も危険人物とみなした」
リーダー格の男は白い札を手元に出す。
「よってお前も処罰対象だ」
男が白い札を掲げると眩い閃光が辺り一体を包み込む。
「くっ!」
勇者は不意の攻撃に目を抑え苦しむが、光は一瞬で収まり、次の瞬間勇者は五人の黒装束の男達から串刺しにされていた。
「ゴホッッ!」
勇者は口から大量の血を吐くと意識が遠のいていく。
「すま、、ない、アナ、テ、、、マ」
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