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二択物語  作者: 轟号剛


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91ページ

・ケイジュに固有魔法を譲る


「分かった、、

 僕の左目を譲るよ」


勇者は両手を挙げながらケイジュに近づく。


その左目は未来の映像を勇者に見せると、その映像を見た勇者は微笑んだ。


「本当に良いのか?

 その力どころか左目も失うぞ」


ケイジュは勇者の言葉を聞き戦意が無くなったのか、周囲に出していた雷の針を消すと右手を向かってくる勇者の顔に向ける。


「僕はもうこの目に頼らなくても大丈夫なんだよ。

 それよりも大事なものがもう見ることができたからね」


勇者はケイジュの問いかけに優しい笑顔で答える。


「なら遠慮はしないぞ」


ケイジュは勇者の左目に右手を当てる。


するとケイジュの右手は紫色に光だし、勇者は苦痛に顔を歪めるが抵抗する事はない。


1分後紫色の光はケイジュの右手から左目に移動していく。


左目に紫色の光が吸い込まれていくと、その左目は赤く不思議な輝きをおびて勇者の未来視の瞳と同じものになる。


「これが未来視か」


左目を失った勇者は痛みから膝をついてしまうが、ケイジュはお構い無しに左目に魔力を送る。


するとケイジュの左目に映像が流れこむ。


「これは、、」


それは左目を失った勇者とケイジュが笑いあいながら握手をかわすものだった。


「どうやら最後に僕が見た未来と同じものを見たようだね」


勇者はゆっくりと立ち上がると右手をケイジュに差し出す。


ケイジュは驚いた表情を浮かべながら差し出された右手をじっと見つめる。


そして数秒両目を閉じ何かを考えた後笑顔になる。


「どうやらこの力は本物らしい」


ケイジュは差し出された勇者の右手を握り返した。


「こんな俺を許してくれるのか?」


ケイジュは勇者の瞳をじっと見つめる。


「あぁ、僕らはずっと親友だ。

 だから、これから起こることについて気に止む必要はないよ。

 僕は君に託すことにしたんだ」


話の読めない言葉を口にする勇者に対してケイジュは眉をひそめる。


「ふふ、僕の方が長く未来を見れていたようだね」


勇者はそんなケイジュの様子をみて柔らかい笑顔を見せる。


そして勇者はケイジュの手を話すと魔力を込めた手でケイジュの体を遠くに突き飛ばす。


「なっ!」


ケイジュは突然の事に対応する事ができない。


「後は頼んだよケイジュ」


すると、上空から赤く燃え上がる火の玉が勇者目掛けて落下していき全てを燃やし尽くした。


「そんな!

 ゼラニウムゥゥ!!!」


ケイジュは勇者の名を叫ぶがその声はもう勇者に聞こえることは無かった。


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