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・狂気山脈へ行く
勇者とケイジュは仙人に会うために狂気山脈を登っていた。
勇者は松葉杖を操って登っているため進行は遅めであるが、少しずつ二人は頂上に登っていた。
山道は霧が立ち込めていて足元も見えない状況である。
お互いの位置も発している魔力を感じ取るしか無く、二人は絶えず少量の魔力を放っている。
「いつ魔物に襲われるか分からない。
気をつけて進むぞ」
すぐ隣にいるケイジュからの忠告を聞きさらに警戒を強めながら二人は山道を進んでいく。
すると目の前に二人と同じように少量の魔力を発している人物が近づいてきているのに気づく。
「止まれ!
お前は誰だ!?」
ケイジュは姿の見えない人物に対して大声で問いかけながら杖を構える。
「そう警戒しなさんな。
わたしゃぁしがない老人だよ」
二人の目の前からは掠れた老人と思われる女性の声が響いて来た。
「こんな所で何をしている?」
ケイジュは人だと分かってもなお、警戒を解かずに再度問いかける。
「わたしゃぁここに住んどるんよ。
お前たちこそこんな場所で何をしとる?」
老人の答えに勇者はケイジュの耳元まで顔を近づけて小声で話しかける。
{もしかしたらこの老人が仙人なのかもしれないよ}
ケイジュは黙って勇者の言葉に頷きを返すと目の前の老婆から再び話しかけられる。
「こんな所に長く話す必要は無い。
近くにわたしゃぁの家がある。
そこでゆっくり話しをしようじゃないか」
老婆からの提案に対してケイジュが今度は勇者に小声で呟く。
「話で聞く仙人は頂上にいると聞いたぞ。
無視して頂上を目指すのもありだと思うが」
勇者はケイジュの言葉を聞いて少し悩んだ様子を見せる。
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