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二択物語  作者: 轟号剛


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83ページ

・赤い宝箱を開ける


勇者が赤い宝箱を開けるとそこには妖精が描かれたペンダントが入っていた。


「これは魔具かな、、?」


勇者がケイジュに尋ねるがケイジュは首を傾げていた。


「わからない。

 魔力の反応は無いんだが何か別の力が宿っている気がする」


ケイジュの話を聞き何か考える勇者であったが、数秒後ペンダントを首にかけて奥の扉へと足を進める。


「考えたって仕方ない!

 とにかく進むしか無いんだ!」


勇者のその力強い言葉にケイジュは黙って頷くと二人は宝箱の奥にあった扉を開ける。


すると、突然前方から黒い煙が二人に襲いかかってくる。


「どけ!!」


ケイジュは勇者の肩を押しのけ横へと突き飛ばすと、杖を振り前方に雷の盾を作り出す。


黒い煙は雷を呑み込むと消え去り、二人の視界がクリアになる。


「ハッハッハ、ヨクタイオウシタ」


二人の前には青いコートを纏った骸骨が立っており、青い水晶のついた杖をこちらに向けていた。


その魔物の正体はリッチと呼ばれており、死んでいった人間の魔力が集結して生まれる魔力の扱いに非常に長けた魔物である。


呪砲(カースシェル)


リッチが杖を振るうと呼応するように青い水晶が光り、黒い煙の塊が目の前に形成され爆発音と共に勇者達に勢いよく飛んでいく。


「避けろ!」


ケイジュと勇者は左右に飛び出して攻撃を避けると勇者はリッチに向かって駆け出し、ケイジュはその場で魔力を練り始める。


呪連砲(カースコンテシェル)


リッチは先ほどの砲撃を連続でケイジュと勇者の両方に放つ。


ケイジュはその砲撃を何とか避けながら魔力を練り続け、勇者はリッチの懐に潜り込む為に砲撃を受け流そうと剣を砲撃に当てる。


しかし、剣は砲撃に当たると一瞬で消え去ってしまい勇者は寸前で体をひねり砲撃を避ける。


「くそ!」


勇者は刀身が消えてしまった剣を投げ捨て素手でリッチへと近づく。


「深追いするな!!」


背後からのケイジュの叫びはもう勇者には聞こえておらず、勇者は焦りから視野が狭くなっていた。


「オロカナ」


走る勇者の横から黒い煙の鞭のような物が現れると、勇者の体を上下に二等分した。


「マジかよ、、」


あっけなくやられた勇者の姿に呆気を取られるケイジュであったが、リッチは追い討ちとして黒い塊を勇者の上半身に放つ。


「オワリダ」


だが、黒い塊が勇者の胸にかけていたペンダントに当たると眩い光を発してリッチの放った黒い塊を消し去る。


それと同時に勇者の上半身も光で包み込むと、失った下半身が再生していく。


「アンタバカなの!?

 あんなに簡単にやられてんじゃ無いわよ!!」


勇者が身につけていた服までもが元に戻り、勇者が信じられ無い様子で自身の体をまじまじと見つめていると頭の上から幼い女の子の声が聞こえた。


勇者が上を見上げると手のひらサイズの妖精が頭上を浮かんでいた。


その容姿は勇者が身につけていたペンダントと同じで、四対の羽にフリフリの服。赤い髪の上にティアラを乗っけている。


「君は、、?」


勇者は戸惑いながらも妖精に尋ねるが、そんな時間をくれる程リッチは待ってくれなかった。


「ワタシノマホウガケサレルダト!!

 アリエナイ!!」


リッチは先ほどまで放っていた塊の3倍ほどの大きさの黒い塊を勇者に放ってきた。


「まぁいいわ、、

 アンタに力を上げる!

 仮にも主人だしね!!」


妖精は勇者の問いに答えず光を纏って勇者の体を触る。


すると妖精が勇者の体に吸い込まれ、白い光でできた鎧と槍を作り出す。


勇者はまるで今まで使ってきたかのような慣れた手つきで槍を振るうと、リッチから放たれた黒い塊を消し去る。


「私がサポートしてあげる!

 とっととアイツなんかやっちゃいなさい!!」


勇者の頭に付いている王冠から声が響くと体が勝手にリッチの方へと走り出す。


「ノロイガキカナイナラ!」


リッチは黒煙では無く周囲に雷の玉を数十個作り出す。


だが、それらは一瞬にして消え去る。


「雷は俺のものだ」


それは背後にいたケイジュの魔法によるものだった。


「バカナ!」


リッチが動揺している隙に勇者はリッチとの距離を詰め、白い光を纏う槍でリッチの体を貫いた。


「ガアァァァ!!」


リッチは悲鳴と共に体が消え去っていき、最後に杖についていた青い水晶だけが残った。


「かっ、勝った!」


勇者が青い水晶を拾うと鎧と槍は消え去り、再び勇者の体から妖精が姿を表す。


「当たり前じゃ無い!

 何てったってこの私が協力してあげたんだから!!」


妖精は勇者の頭を偉そうにペチペチと叩きながらも、その表情はご満悦だ。


「お前は何だ?」


そんな妖精をケイジュが訝しげな目で見つていた。


「ふん!

 聞いて驚きなさい。

 私は次期妖精王候補の一人、アマリリスよ!!」


アマリリスと名乗った妖精は勇者の頭の上で腕を組みながら人差し指をバシッとケイジュに向けて言い放つ。


「妖精王!?

 すごいや!!」


妖精王とは万病を癒し失った四肢すらも治せる程の力を持ち、更には神の加護をその一身に受けると噂の妖精達を束ねる長である。


「あくまで候補だろ?

 それにそんな妖精王の候補であるお前がそんなペンダントの中にいたんだ?」


しかしなお、ケイジュはジト目でアマリリスを見続けている。


ケイジュの問い詰めにアマリリスはあからさまに焦った様子を見せ、目線は斜め上に移動しその額には多量の汗を滲ませていた。


「そ、それは私が油断してたせいで、四天王の一人のアナテマに呪いを受けちゃってそれで、」


アマリリスは徐々に声を小さくして涙をポツポツと流し始める。


「うわぁぁぁああん!!!」


アマリリスは感情がはち切れたように泣き叫ぶと勇者とケイジュはすぐに耳を塞ぎ苦しそうな表情となる。


「ご、ごめんよ!

 でもアマリリスの力のお陰でリッチを倒せたんだ!

 アマリリスの力は本当に凄かったよ!!」


勇者は頭の上で泣いているアマリリスを優しく手に取ると、顔の正面に移動しアマリリスの力を褒める。


「ほんとうに、、?」


アマリリスはすっかりしょぼくれてしまっており、最初の方に見せていた自信たっぷりな態度から一変してしまった。


「う、うん!

 本当にアマリリスの力は凄いよ!!

 ね、ケイジュ!!」


勇者はアマリリスを泣かせたケイジュに苦笑いを浮かべながら問いかけた。


「あ、あぁ、確かにお前の力が無ければ俺らは負けていたかもしれない」


ケイジュは顔を引き攣らせながらアマリリスを褒める言葉を伝える。


二人の言葉を聞き徐々にアマリリスは笑顔になる。


「でしょ!!

 私はすごいんだから!

 それにアナテマには私が封印される直前に神の加護を与えてやったの!

 今頃あいつは相当苦しんでるはずよ!」


アマリリスは両脇に手を置いて自慢気に話してきた。


「でも、そのせいで私の中の神の加護の力は全然残って無いの。

 さっきあんたに渡した力で完全に使い切ったわ。

 だから、あんた達には妖精の泉に一緒にきて欲しいの!」


しかし、アマリリスの話を聞いてケイジュは首を傾げた。


「妖精の泉に行くには道中でハーデン滝を通らなければいけないと噂されている。

 その滝の中の洞窟は道中二つの道に分岐されており、間違った道を選ぶと神罰が下るという話だが違うか?」


ケイジュの質問にアマリリスはあからさまにバツが悪そうな顔になる。


「その話は本当よ。

 ただ神の加護を受けている私達妖精族は間違った道に行くことは無いわ、、」


アマリリスは自信が無いのか小さな声で呟く。


「その神の加護とやらはさっき使い果たしたと言ってなかったか?」


だが、ケイジュは鋭い目つきでアマリリスを見つめながら問い詰める。


「で、でも私の中にわずかにでも神の加護の残りがあれば無事に通れるはずよ!」


アマリリスは涙目になりながらも勇者とケイジュに訴える。


「駄目だ。

 そんな危険は犯せない。

 それより他のダンジョンを攻略して魔具などを獲得していったほうが俺らのためになる」


ケイジュは冷たい表情でアマリリスのお願いを突き放した。


ケイジュの言う通り別のダンジョンを攻略しに行く→155ページへ


アマリリスのお願いを聞き入れて妖精の泉へ足を運ぶ→156ページへ







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