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二択物語  作者: 轟号剛


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79ページ

・勇者が囮になる


「僕が注意を引きつける!

 その間に魔力を溜めといてくれ」


勇者は剣を構えてリッチに向かって突撃する。


「ムダダ」


しかし、勇者とリッチの間に黒い煙で出来た壁が形成される。


「頼むぞ!」


勇者は黒い煙に怯む事無くポーチの中からミミックから取り出した短剣を取り出すと黒い煙に突きつける。


すると黒い煙は一瞬にして消え去り勇者の前にリッチが姿を現す。


「ソレヲドコデ!?」


リッチは勇者の持つ短剣に覚えがあるようで動揺を見せるが、リッチは両手の間に黒い煙がどんどん集約させていく。


「ワタシニチカズクナ!!」


リッチは拳程の大きさに集約させた黒い煙でできた玉を勢いよく勇者に放つ。


「くっ、、!!」


勇者は再び短剣によってかき消そうと、向かってくる黒い玉に短剣をぶつける。


だが、今度は先ほどのように黒い煙を消す事はできず、火花を一瞬散らせると黒い玉の軌道を逸らす事しかできなかった。


黒い玉は勇者の真横に弾かれ、ダンジョンの壁を大きく砕いてしまう。


「限界だったか、、」


勇者は手に握る折れた短剣をすぐさま地面に投げ捨て、腰に刺していた剣を握り直す。


「だが、こっちも準備ができたみたいだね」


勇者は黒い玉を弾いた方向とは逆に飛び込むと背後で雷の弓矢を構えてたケイジュの目の前を空ける。


「雷矢」


ケイジュは矢を最大限に引いてから一気に離した。


すると、雷の矢は凄まじい速さでリッチの元へと飛んでいく。


それに対してリッチは冷静に目の前に黒煙出てきた壁を一瞬で形成し雷の矢から身を守る。


雷の矢は黒い煙に当たると黒い煙を霧散させると同時に、矢自身も消え去ってしまった。


「そんなバカな!」


ケイジュは最大の一撃が防がれたことで、驚愕と焦りの混じった表情を浮かべる。


「マホウデワレニカトウナドト、

 ヒャクネンハヤイワ」


リッチが杖をケイジュに向けると、突然ケイジュは背後から黒い煙に襲われ包み込まれる。


リッチは勇者とケイジュにバレないように少量ずつの黒煙をケイジュの背後に送っていたのだ。


「ケイジュ!!」


勇者はそんなケイジュの姿を見て急いで駆け寄るが、そんな隙だらけの状態をリッチは見逃すはずもなかった。


「テキニセヲムケルナド、グノコッチョウダナ」


リッチが杖を振るうと勇者の背中を槍状に形成された黒煙が貫く。


「グハッッ、、」


貫かれた勇者と体は黒煙が触れた箇所が綺麗に消えており、胴体に丸い穴が空いている状況だ。


そして勇者の瞳にはケイジュが包まれた黒煙が霧散していく様子が映される。


黒煙の中にはケイジュが居たはずだが、黒煙が完全に消えてもケイジュの姿が現れることはなかった。


「ケイ、、ジュ、、」


勇者はその場で倒れ込み穴の空いている胴体から血が溢れ出して死んでしまった。


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