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・クレストに負けて優勝させる
勇者は今にも倒れそうなクレストの元に走り出すと拳を振り上げクレストの顔面目掛けて振り下ろす。
しかしその寸前に勇者は足を思い切り踏み込んで後方へとジャンプすると空中で仰向けになったまま地面へと落ちてゆく。
観客達は皆クレストに殴りかかった勇者が反撃を受けて倒れたようにしか見えないだろう。
「なぜ、、?」
勇者の不可解な行動に戸惑うクレストとは真逆に観客たちは熱気に包まれていた。
「なんと!!
勝負があったように見えた今の一瞬でクレストが逆転の一撃をゼラニウムに喰らわしたー!!
勝者はクレストだーーーーー!!!!」
司会の言葉で観客達は大きな拍手を二人に送るのであった。
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決勝で敗れた勇者は闘技場の裏口から帰ろうと扉に手をかけようとするが、背後から勇者を呼び止める声が聞こえてきた。
「待てよ。
何でわざと負けた?」
背後にいたのはクレストであった。
「僕は修行の成果を確かめる為にこの大会へ出たからね。 賞金は二の次だったのさ。 そんな僕よりも君の方が賞金を必要としていたからね」
勇者は少し悲しそうな表情を浮かべながらクラストの質問に答える。
「そうか、、
理由は何であれありがとうな」
クレストは勇者に感謝を伝えると走って裏口から出ていってしまった。
「っていう感じでカッコつけたは良いもののアキレアに怒られるだろうなぁ〜」
勇者は怒りを露わにするアキレアの顔を思い浮かべて苦笑いをしながら二人の拠点へと帰っていく。
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「はぁ、、
お前っていう奴は人がいいにも程があるぞ」
拠点に帰った勇者を待つように既にアキレアも帰宅しており、帰ってきて早々にわざと試合に負けた理由を問いただされた。
「まぁ、しょうがねぇか。
お前が決めた事にうだうだこれ以上言っても仕方ねぇからな」
アキレアはこれ以上勇者に説教をしても時間の無駄だと考えて、これからの行動について話を変えた。
「この後の事なんだが、特にやる事が無ければ行きたいところがあるんだ」
勇者はアキレアの説教がすぐに終わった事に安堵すると、椅子へと腰掛ける。
「俺の祖母に会いたいんだ。
祖母は占い師をやっていてすんげぇ当たるんだよ。
俺らの今後の活動について何かしらアドバイスをくれると思ってな」
アキレアは占いなど信じないタイプの人間だと思っていた勇者は驚くが、すぐにアキレアの提案について考える。
今は何よりも修行が大事だと提案する→145ページへ
アキレアの祖母に会いに行く→146ページへ




