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・オークの背中のキノコを切り落とす
「アキレア!
あのオークは背中にあるキノコが原因で暴れているんだ!」
勇者は隣にいるアキレアに状況を説明すると、黙って頷きを返してくる。
「オーク!!
聞こえているか!?
今からお前に根付いている寄生キノコを切り落とす!」
勇者が大きな声でオークに伝えるとアキレアと勇者の二人は一緒にオークの元へ走り出した。
「ガァァァ!」
しかし、理性を失っているオークは棍棒を振り回して勇者達を近づけさせない。
「赤巒」
アキレアは体に赤い煙を纏うと振り下ろされる棍棒に拳を思い切りぶつける。
オークとアキレアはお互いに弾かれ体勢を崩すとその隙に勇者がオークの背後に回り込んでいた。
「いける!!」
勇者がオークの背中に生えているキノコ目掛けて剣を振り上げるが、オークの体が急にこちらに倒れて来ると勇者を潰してしまう。
「なっ!?」
なんとかオークと地面の間から抜け出す勇者であったが、オークの背中は地面についてしまっており、背中に生えたキノコを切り落とす事はできない状況だ。
「あのキノコ自分が切り落とされる事に気づいて抵抗しやがったのか?」
アキレアは奇怪なオークの行動をみて驚いた様子を見せる。
「動く気配がない、、
完全に僕たちを警戒しているね」
「あぁ、だとしたら好都合だ。
最初の目的通りロイヤルハーブを取って帰っちまおうぜ」
勇者の呟きに対してアキレアが返事をすると同時にアキレアはロイヤルハーブの元へと歩き出す。
「いや、一度あのオークを助けると決めた以上やり切りたい。 それにあのオークを放置するなんてかわいそうだよ、、」
勇者は歩くアキレアの肩を掴み立ち止まらせると、悲しげな表情で説得をする。
「ふっ、しょうがねぇな。
俺もこのままだと寝覚めが悪いと思ってたんだ」
アキレアは口角を上げて勇者に笑顔を見せると方向を変えてオークの元へと歩き出す。
「おいオーク!!
お前体は操られてても意識はあるんだろう?
このままだとお前はそのキノコに殺されるんだぞ!! 根性みせろよ!!」
アキレアはオークを焚き付けようと大声で話すと、地面に仰向けで倒れているオークの体がピクリと動く。
「お前はそんなキノコなんかにやられて悔しく無いのか!? オーク何てのはそんな弱々しい種族なのかよ!!」
「グォォオ!!」
アキレアの言葉に反応するようにオークは雄叫びをあげるとプルプルと震える手足で立ちあがろうとする。
「今だ!!」
オークの背中が持ち上がり背中に生えてるキノコが顔を出すと同時に、勇者は剣をブーメランのように投げる。
剣はクルクルと回転しながらオークの背中に生えているキノコに見事的中し、背中からキノコを切り落とす事に成功する。
「ガァァア!!
いてぇよ〜!!!」
オークはキノコを切断された痛みで悶絶しているが、理性を取り戻したようで痛みを言葉にしていた。
「よっしゃぁ!!
背中のキノコは無事切り落とせたぞ!!」
オークが理性を取り戻した事を確認して勇者とアキレアは喜びながらハイタッチを交わす。
「イタタタ、、
おめぇらありがとうなぁ
お陰で助かったよ、、」
オークは痛む背中をさすりながら勇者とアキレアに近づくと頭を下げて感謝を伝えてきた。
「通りかかった船ですから大丈夫ですよ。
この薬草を取りに来たついでです!」
勇者は首を横に振って気にしていないと伝えると、オークの隣に生えているロイヤルハーブを採取してポーチにしまう。
「あっ、それからそのキノコ貰っていっても良いですか?」
勇者ははっとした表情でオークから切り離された寄生キノコを指差す。
「おぅおぅ、もっていけぇ。
こんなもん、もぅみたくねぇよぉ」
オークはシッシッと手でキノコを追い払うような動作をしながら答える。
「そんなもん持っていってどうするんだ?」
アキレアは不思議そうに勇者を見つめるが、勇者は笑みを浮かべながらロイヤルハーブ同様にポーチに寄生キノコを詰める。
「これは結構高値で売れるんだよ。
それも鉄のフルアーマーを買えるくらいね!」
勇者は自慢げに話すと続け様に口を開く。
「それに、このキノコは呪いと中和する作用もある説もあったりするんだよ」
勇者の説明を聞いたアキレアは納得したように頷くと勇者のポーチに向かって指をさす。
「じゃぁ、それはどうするんだ?
売って防具を揃えるのか?
それとも、持っておくのか?」
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