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・エルフの里に向かう
勇者は王都を離れ、森の中を歩き進める。
白い煙が強くなり、次第に目の前が見えなくなる。
それでも、勇者は前に進み続ける。
もはや自身が真っ直ぐ進めているのか分からなくなってしまうが、それでも自分を信じて勇者は歩き続ける。
すると次第に煙は晴れ、目の前にエルフの老人が現れる。
「よくぞ参った勇者よ。
其方が来ることは分かっていた」
エルフの老人は杖に体重を預けた手をプルプルと震わせながらも振り返り歩き出す。
「僕がここに来る事を?」
勇者は不思議そうな表情を浮かべながら老人についていく。
「あぁ、ワシはお主が来る事を知っている。
お主が何回もここに訪れている事をな」
老人は歩みを止めて意味深な言葉を口にする。
「そして、決まってワシは其方にこの依頼をする。
どうか、あの怪鳥を撃退してくだされ」
老人は杖を持ち上げ頭上に掲げると、そこには空で円を描くように飛んでいる巨大な鳥のような魔物が存在した。
「あの怪鳥は度々この里を襲っては食料を食い散らかしておるのです。
どうか、お助け下さい」
勇者は何故かこの急展開な出来事に対して動じることは無かった。
頭の中にあるのはどうやってこの状況を打破するかだった。
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