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・ローブの男をパーティに誘う
格闘家の誘いに対して、一言謝って断ると勇者はローブの男に声をかける。
「さっきのあいつの話を聞いてなかったのか?
俺と組むとろくな目に会わないぞ?」
男は目にかかっているメガネを左手の薬指で持ち上げながら勇者に問いかけてきた。
近くで見ると、ローブと同じく綺麗な青色の髪が背中の後ろまで伸びている事が分かった。
「直感的に君と組むべきだと、そう思ったんだ。
僕は自分の直感を何よりも信じてるからね」
勇者は笑みを浮かべながら、返事をする。
「そうか。
後悔するなよ」
ローブの男は椅子から立ち上がる。
その背は格闘家よりも大きく、勇者よりも低い。
平均的な慎重だ。
「俺の名はケイジュ・ゲツレイ。
魔法使いだ。
俺が一緒に組む相手を探していたのは、とあるダンジョンの秘宝を手に入れたいからだ。
一緒にダンジョンに行ってはくれないか?」
ケイジュの口から出てきたダンジョンとは、複数の魔物の巣が入り混じってできた迷宮のことだ。
ダンジョンには今まで魔物退治を目的に何人もの冒険家が挑戦し、そして敗れた事により装備品や道具などが放置されている。
中には秘宝と呼ばれるレア度の高い宝があったりもする。
ケイジュが話しているのはその宝の事だろう。
「もちろん、強制では無い。
これまで俺と一緒にダンジョンに挑みに行って生還したやつは居ないんだからな。
別にダンジョンに行かないからってパーティを組まないなんて事も言わない。
これはあくまで俺からの提案だ」
ケイジュは勇者の瞳を見つめて返事を待っている。
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