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・剣聖の居場所を聞く
「はぁはぁ、本当にこの先にいるんだろうか、、」
勇者は今、嘆きの崖と呼ばれる絶壁を登っていた。
エルフの老人の話だとどうやら剣聖はこの絶壁を登った先にいるらしい。
勇者はもうすぐ絶壁を登り切る所まで来ているが、既に腕はパンパンで気を抜いたらすぐに落ちてしまうような状況であった。
「よし、これで終わる!」
勇者は崖のへりに手をかける。
しかし、終わる喜びからか今までしていた強度の確認を怠ってしまい掴んでいた岩が剥がれ落ちてしまう。
「ま、まずい!!」
勇者はすぐさま反対側の腕を伸ばすが、無念にも届くことはなかった。
勇者が諦めかけたその時伸ばした腕を誰かが掴んでいた。
「ここまで来てそんなヘマするんじゃねぇよ」
その人物は勇者の腕を引っ張り上げると崖の頂上にある小屋に向かって歩いていく。
「話は聞いてるあそこで話をしてやる」
男は疲弊して地面に手をついている勇者を一瞥する事もなく行ってしまった。
「はぁはぁ、分かりました、、」
勇者はフラつきながらも立ち上がると、重たい足を引きずりながら小屋へと向かっていく。
勇者が小屋へと辿り着くと扉は空いておりそのまま中に入ると男は豪華な装飾の椅子に座っていた。
椅子の背後には一振りの剣が飾ってあり、それは見るだけでも命を奪われてしまうような危うさがあった。
「まぁ座れよ」
男の指差す先には座布団が一枚と水の入った瓶があった。
男の椅子と比べるとかなりの格差があるが、勇者はすぐに座ると瓶を持ち上げて水を飲み干した。
「飲んでいいとは言ってねぇんだがな。
まぁしょうがねぇか」
男は小言を吐くが特に気にしていないようだ。
男は40歳位の年齢で無精髭がはえており、その瞳は常に誰かを睨みつけているように細い。
「す、すみません。
実はエルフの里で」
「あぁ、そういうのはいいんだよ。
もうこれで色々と聞いてるからな」
男は左手に持つ紙をヒラヒラとさせながら勇者の話を遮る。
「では、あなたが?」
勇者の問いに男が頷きを返すと急に立ち上がる。
「そう!俺様こそ世界で名を轟かした剣聖。
アルフレン・クォーツだ!!」
勇者を助け小屋へと招いたのはやはり剣聖だったようだ。
剣聖はポーズを取りながら固まってしまい勇者をマジマジと見つめる。
「おい、何か言えよ?」
何も反応を見せない勇者に問いかけると、勇者は申し訳無さそうに口を開く。
「すみません、、
こういう時どういうリアクションをすればいいか分かっていなくて、、」
勇者の言葉を聞きアルフレンは呆れたように椅子に座り直す。
「はぁ、しょうがねぇなぁ。
まぁいいか。
あいつに色々と面倒を見てくれと言われているがどうして欲しいんだ?」
アルフレンは鋭い眼差しで勇者を見つめながら問いかける。
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