46ページ
・勇者が逃げる時間を稼ぐ
「僕が皆の逃げる時間を稼ぐ!
早く逃げて下さい!!」
勇者はバーベナに優しい笑みを送るとイフリートに向かって走り出す。
「息のいい奴がいるじゃねーか」
イフリートは向かってくる勇者に向かって炎の弾丸の嵐を右手から放ち続ける。
「はっ、はぁ、はぁあ!!」
勇者は炎の弾丸を剣で弾きながらイフリートに近づいていく。
「炎魔豪火」
イフリートの口から扇状に強烈な炎が放たれると、勇者の視界全てが炎で埋められてしまう。
「くっ、、」
勇者は剣を盾に防ごうとするが、この威力の炎を受けてしまったら致命傷は免れないだろう。
「雷雨網」
すると、勇者の目の前にいくつもの雷が落ちて網目状に展開され勇者の盾となる。
「雷紐」
だがイフリートの火力の前に数秒で雷の盾は壊れてしまうが、その数秒の間に勇者の腰に雷の紐が巻き付き空中に打ち上げられることで炎の波を回避する。
「援護する」
勇者を救い出したのはいつの間にか現れたケイジュであった。
「ゾロゾロと雑魚が増えたところで変わんねぇんだよ!!」
イフリートは再び口から炎を吹き出すと、炎が形を変えて大きな炎の鳥に姿を変える。
「業火鳥」
炎の鳥はどんどん増殖し勇者とケイジュは勿論、逃げ惑う魔女達も標的にして突っ込んでいく。
「あの野郎!」
ケイジュと勇者は次々に炎の鳥を撃ち落とすが、何人かの魔法使いは炎の鳥に当たって燃えてしまっている。
「ハッハッハ!!
全て燃え尽きろ!!!」
イフリートは高々に笑いながら次々に炎の鳥を生み出していく。
「超重力」
勇者達の頭上に突然一人の女性が現れると、炎の鳥全てが急激に重くなったように地面に地面に落ちていく。
「増援か」
イフリートは現れた女性に目を移すと炎の玉を放つ。
「オラァァ!!」
しかし、同じく瞬時に現れた大男のハンマーに打ち返される。
「ギルドだ!
これ以上お前の好きにはさせねぇぞ!!」
大男がイフリートに向かって口火を切ると次々に周囲に人が瞬時に現れていく。
「ハッハ!!
おもしれぇ!!
全員燃やし尽くしてやるよ!!」
イフリートはさらに自身を燃やす炎の火力を強めると頭上に大きな炎の玉を作る。
「炎魔滅き」
イフリートが頭上の炎の玉を放とうとしたその時、何か様子がおかしくなり頭上の炎は小さくなっていく。
「あ?
何でだよ、今から楽しくなるところだろうが!!」
イフリートは誰かと話をしている様子でその会話の内容はどうやら撤退を促されているみたいだ。
「ちっ、、
魔王様の意向ならしょうがねぇ、、」
イフリートは体から湧き出る炎を弱めると宙を浮かぶ。
「今日の所はここいらで退いてやる。
次はとことん遊んでやるから覚悟しておけ!」
イフリートは勇者達に背を向けると宙を飛んでこの場を離れていく。
「逃すわけねぇだろ!!
追うぞ!!」
大男がイフリートを追おうと走り出したその時、地面に転んだように倒れてしまう。
「カマドの馬鹿が。
今回の私たちの依頼はこの集落を守る事だけだ。
深追いしてこっちの犠牲を出しても意味がない」
宙を浮かぶ女性がメガネを抑えながらカマドと呼ばれた大男に注意している。
「何故だエリン!?
あいつを野放しにしていたらいずれ多くの犠牲者を産むぞ!!」
カマドは反論しながらも何かに押しつぶされた様子で立ち上がれないようだ。
「四天王を相手にするならこっちだってもっと準備をしてからだろう?
今回はあくまで急務の防衛戦だったから少数で来たんだ。 そこんところリーダーなら弁えろ」
エリンと呼ばれた女性は相変わらず冷たい言葉をカマドに吐き捨てている。
「おい、俺らはどうするあいつを追うか?」
勇者の隣に立つケイジュが問いかけてくる。
イフリートを追わない→87ページへ
イフリートを追う→88ページへ




