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・勇者が足止めをして、アキレアとクキを逃す
「アキレア!
こいつは僕が足止めする!
クキちゃんを連れて逃げるんだ!!」
勇者はアキレアとクキの前に立つとデュラハンに向けて剣を構える。
「お前を置いていける訳ねぇだろ!!
俺も戦う!」
アキレアも勇者に並ぼうとするが腕に抱いているクキが震えている事に気づくと苦しそうな表情になってしまう。
「すぐに戻ってくる、、
ぜってぇ死ぬなよ!!」
アキレアはクキを抱きかかえた状態でデュラハンに背を向けて走り出す。
「逃さないと言ったはずだ」
それを見たデュラハンがアキレアの背中を素早い動きで追いつくと手に持っている細長い太刀のような剣を振り下ろす。
「やらせない!!」
勇者は寸前の所でデュラハンの剣を防ぐ。
「愚かな」
デュラハンは小さな声を溢すと間に入ってきた勇者を力強く吹き飛ばす。
「今の一瞬で居なくなった?
・・・逃げ足の早いやつだ」
一瞬だけ勇者に気を取られていたデュラハンが再びアキレアが逃げた方角に目を向けると既に姿が見えなくなっていた。
「だがお前は絶対に逃がさないぞ」
デュラハンは吹き飛ばされて木にもたれかかっている勇者に剣を向ける。
(クキちゃんの魔法か、、?
自分以外の人物にも効果があるのは嬉しい誤算だ。
あとは僕が応援が来るまで耐えれるかだけど、、)
勇者はふらつきながら立ち上がりデュラハンと対峙するとデュラハンの凶悪な魔力を前に自身の命が残り数秒である事を悟る。
「僕の役割は全うできた」
勇者は死を前に妙に落ち着いた様子で静かに剣を構えていた。
「その覚悟見事だ。
せめてひと思いに切り捨ててやる」
デュラハンは剣に黒い魔力を纏わせると剣を頭の上に振り上げる。
「闇厄」
デュラハンが剣を振り下ろすと黒い魔力を浴びた剣が勇者の首を切り落とした。
「中々見どころのある者であった」
勇者の首を刎ねたデュラハンの右腕には剣が刺さっていた。
それは勇者が自身の死と引き換えに与えた最後の生き様であった。
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