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・大型の魔物を討伐
勇者は王都の中心で暴れている一際巨大な魔物の元へと駆け出した。
その魔物の名はフェンリル。
巨大な狼の姿をしており、その爪で傷つけられた傷は癒える事はないと言われ、その牙で砕けない物は存在しないと言われる強大な魔物である。
そんな魔物が王都の中心で暴れているため、被害は尋常では無い。
既にギルドのメンバーが対応に回っているようだが、フェンリルの素早さを前に攻撃を当たることが出来ていない様子だ。
勇者は中心街へと到達すると、フェンリルの意識はギルドのメンバーに向いているため、勇者の存在に気づいていない様子だった。
(これはチャンスだ。
みんなが注意を引いてくれてるうちに!)
勇者は家の屋上からフェンリルへの背へと飛びつくと、その背中に先ほどドワーフからもらった剣を深々と突き刺す。
「ガルァァァァア!!」
フェンリルは不意の勇者の一撃を受け、大きな悲鳴をあげながら体をばたつかせる。
すると、勇者は飛ばされないようにフェンリルの体に刺さっている剣にしがみつくが、フェンリルの強大な力により抵抗も虚しく剣と共に宙へと飛び上がってしまった。
「しまった!!」
勇者は空中で体勢を立て直そうとするが、既にフェンリルの爪が眼前へと迫っていた。
勇者は必死に剣を間に挟んで防ごうとするが、フェンリルの爪は勢いよく振り下ろされ、勇者は豪速球のように壊れかけの家へと吹き飛ばされてしまう。
「何者かは分からないがお前が稼いだ時間は無駄じゃ無いぞ!!!」
フェンリルの気が勇者に向いている間に、ギルドの長である、カマド・ナナツバキのハンマーがフェンリルの胴体を捉えていた。
カマドはスキンヘッドの厳つい風貌で恐るべき筋肉量を誇る見た目であるが今はその肉体が金色に輝いており、手に握るハンマーまでもその影響を受けて金色に輝いている。
「筋具金具」
カマドの振るハンマーがフェンリルの胴体に当たると、フェンリルの胴体は弾け上半身と下半身を両断する。
「ガ、、ル、」
フェンリルは小さな悲鳴をあげた後、それ以上動く事がなくなった。
「おい!
あの小僧を助けてやれ!
絶対死なすんじゃねぇぞ!!」
カマドは周囲のギルドのメンバーに指示を出すと次の魔物退治へと駆け出した。
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「こ、、ここは?」
勇者が目を覚ました場所は病院の一室である。
「あら、起きたのね!!」
すると、近くにいた看護師が勇者に気づいて近寄ってくる。
「ぐっっ、、、」
目覚めたばかりの勇者は左目から激痛が走り、左目を押さえてうずくまってしまう。
「大丈夫!?
あなた左目が潰れちゃったのよ、、
他の外傷は回復魔法で治ったんだけど、その左目の切り傷だけは治すこと出来なかったのよごめんなさいね、、」
看護師は勇者の背中をさすりながら、勇者に状況を説明する。
勇者の左目にはフェンリルの爪につけられた縦線の傷跡があった。
「そうか、左目が見えなくなってしまったのか、、
すみません、もう大丈夫です、、」
勇者は未だに疼く左目を我慢しながらベッドから立ち上がる。
「あー、まだ治ってないのにダメよ!」
看護師は立ち上がる勇者を静止しようと腕を掴んだ。
「いや、この左目は一生癒えることがないからいいんだ。」
勇者は優しい笑顔を看護師に見せると病室を出て行く。
「治療ありがとうございました。
治療費はいくらになるでしょうか?」
勇者は病院の受付に着くと受付員に話しかけた。
「あなたは106号室の患者さんですね!
元気になられて良かったです!!
今回治療費はギルドに立て替えてもらったので大丈夫です!
また、今回ギルドから魔物討伐への協力への感謝として報奨金も預かっております」
受付員はそう言って大きな袋を勇者に手渡す。
勇者が中を覗き込むと大量の金貨が詰まっていた。
「こんなに、、!
・・・ありがとうございます。
あとでギルドにお礼を伝えに行かないとな、、」
勇者は受付員に感謝を伝えると病院を出て行く。
「このお金があればこないだ作れなかった防具も作れるな」
勇者はギルドから貰ったお金を防具に使うつもりのようだ。
「ちょっとそこのあんた。
その袋の中、大金が入ってるね?
良いもんがあるんだ。
その大金と交換しないかね?」
勇者はギルドに向かう道中で路上に居座っていた老婆に話しかけられる。
老婆は全身を黄色で統一しており、シルクハットを深々と被って表情を見ることができない。
「良いもの?
どんなものなんですか?」
勇者は怪しげな老婆の話に興味を持ったらしく、老婆に返事をする。
「ホホホ
わたしが今回売るのはこの薬だよ」
老婆は一つの黄色い小瓶を取り出すと勇者に見せる。
「この薬の名は狂化薬。
自身の内に眠る力を最大限に引き出すというもの。
その力は膨大な物だが、力を制御出来ず理性を失ってしまうかも知れないがね」
老婆からの説明を聞いて勇者は手持ちの大金を老婆の薬と交換するか防具を買うか悩み始めた。
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