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・怪鳥に四天王の居場所を聞き出す
今、勇者は怪鳥に言われた四天王の居場所を頼りに森を進んでいた。
怪鳥が言うにはエルフの里のさらに奥に位置する小さな村の中で村民に紛れているらしい。
勇者は怪鳥に二度とエルフ里に立ち入らないという約束を交わさせて怪鳥を解放した。
「あそこだな?」
森を抜けた後、小さな村のような風景が勇者に見えてきた。
「四天王の容姿がどんな姿をしているかまでは知らないと言っていたから、気をつけないとな」
勇者は村の中に入るとのどかな風景が目に入ってくる。
畑で農作物を育てる老人、数人の子供が追いかけっこをしている様子、家を使っている男性など平和な日常風景である。
「本当にこんな所に四天王の一人がいるんだろうか、、?」
勇者が一人で村を眺めていると一人の女性が話しかけてきた。
「あらあら、こんな田舎村に何かご用でしょうか?」
女性の年齢は30歳程で優しい表情をしている。
「いえ、ここに魔物が現れたという噂を聞いたのでやってきたのですが、どうやら間違いだったようですね」
四天王が村人に化けてると言ってしまったら、村中がパニックに陥ると思い、勇者は嘘をつくことにしたようだ。
「フフ、そうなのね。
心配してくれてありがとうございます。
私はシャルルと言います。
大したもてなしもできないけど、うちでご飯でも食べて行って下さいな」
勇者はシャルルの好意に甘えて家まで着いて行くことにした。
「な、、」
家に着くと凶悪な魔力が部屋の中から溢れている様子に勇者は驚く。
「どうか致しましたか?」
しかし、シャルルはそんな様子の勇者を見て不思議そうな表情を浮かべている。
どうやらこの村の人たちはこの凶悪な魔力に気づいていないようだ。
「あー、あの部屋は今私の娘が病で体調を崩しているため、近寄らないで下さいね」
シャルルは心配そうな眼差しをその部屋に向けると勇者を茶の間に連れて行った。
「ご飯の支度をしてくるから少し待っておくれよ」
シャルルが茶の間から出て行くと勇者はこっそりと、先ほどの凶悪な魔力を放つ部屋は歩いていく。
部屋のふすまを開けると一人の少女が布団の中で眠っていた。
「ゴホッ、ゴホッ
なんじゃお主はこの村の者では無いな?
もしや、、」
少女は勇者を見ると咳き込みながら体を起こす。
「僕はこの村に四天王の一人がいると聞いて来たんだ。 その魔力、君が四天王だね?」
勇者は警戒を怠らずいつでも剣が抜けるように腰に手を当てている。
「そうか、、
いかにも私が魔王軍四天王の一人、アナテマだ。
今は呪いのせいでこうして立ち上がる事が精一杯なんだ。 そんなに警戒しなくていい。」
アナテマと名乗った少女は本当に四天王の一人であったようだ。
「呪いの女王と呼ばれた私が呪いのせいでこんな事になっているなんて笑えるよな。
フッ、ここが私の死場所となるか。
それでもいい」
アナテマは頭を下げ首を差し出すとそのまま止まって、勇者に切られるのを待っているようだ。
(一見無害を装っているが、こいつは魔物。
呪いが解ければこの村を滅ぼすかも知らない。
悠長にしていればこちらが寝首をかかれるかもしれない。 しかし、こんな無抵抗な少女の姿をした魔物を殺せるのか、、?)
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