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・特殊魔法を使えるようにする
「了解じゃ、ではその水晶に手を当てておくれ」
勇者はバーベナに言われた通りに水晶に手を当てると、地面から魔法陣が現れる。
「テナハキトヲラカチノソマイ、ヨワツウノウホマ」
バーベナが呪文を唱えると、赤い光が勇者を包み込む。
赤い光が収束して小さな玉になると勇者の左目に吸い込まれる。
「ホッホッホ、成功したようじゃな。
どうやらお主の固有魔法は目に関するまほうのようじゃの。
お主の左目が赤く輝いておるぞ」
バーベナの言う通り勇者の左目は赤く不思議な輝きを帯びていた。
「ありがとうございます。
何かお礼でも、、」
勇者は腰のポケットからお金を出そうとするが、バーベナは片手をあげて静止する。
「いやいや、礼なぞ要らんよ。
これはただの老人のお節介だと思ってくれ。
老い先短いこの命、多くの人の役に立って死にたいからのぉ」
勇者はバーベナの好意に甘えて深々と頭を下げ、テントから外に出る。
「あぁ、こんなとこにいたのか?
その瞳はどうした?」
テントから出るとちょうどケイジュと遭遇し、勇者の赤く輝く瞳についてケイジュに説明した。
「そうか、それは良かったな。
あの婆さんのお眼鏡に合うなんて中々無いぞ」
いつも仏頂面のケイジュは珍しく笑みを浮かべながら話してくる。
「あっ、ぐ、」
突然、勇者の左目が焼けるような痛みが発生すると、脳にある映像が映し出される。
「悪いな、その左瞳は貰い受ける」
目の前のケイジュが紫色に光る右手を勇者の左目に向けてくる映像であった。
「おい大丈夫か?」
ケイジュが勇者の体を揺らして勇者が正気を取り戻すと、勇者はケイジュの手を払いのけて後方へと距離を取った。
「今のは、、一体?」
勇者は左目を押さえながら動揺しているようだ。
「おいおい、どうしたんだ?」
ケイジュは首を傾げながら近づいてくると、勇者は剣を引き抜きケイジュに向ける。
「なんの真似だ?」
ケイジュは勇者のいきなりの行動に怪訝な顔を見せると杖を構える。
「この左目からお前がこの左目を奪おうとする映像が流れてきた。
あの映像が未来を暗示しているのだとしたら、お前の目的は僕の固有魔法を奪うことでは無いか?」
勇者の言葉に対してケイジュは手で顔を覆った後に、不適な笑みを浮かべる。
「はぁ、お前の固有魔法がまさか未来視のような物だとはな。
上手く事は進まないものだな」
ケイジュが杖を振ると雷の玉が周囲に5つ現れ、全てが勇者に向かって放たれた。
「待て!
僕はお前と争いたくは無いんだ、話を聞かせてくれ!!」
勇者は全ての雷の玉を避けながら、ケイジュを説得しようとする。
「何だ?
話をしたらお前のその力を譲ってくれるとでも言うのか?」
ケイジュは再び杖を振ると雷の針のようなものが数十本現れる。
(このまま、ケイジュと戦わなければいけないのか、、?
何とか説得する事はできないのか、、?)
勇者は心の中で必死に考えを巡らせている。
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