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・迷いの森へ向かう
「止まれ、この先は立ち入り禁止だ」
迷いの森の入り口に着いた二人は警備兵に見つかり、足止めされていた。
「子供がこの森に入っちまったみてぇなんだ!
通してくれ!」
アキレアが必死の形相で訴えるが、警備兵は首を横に振る。
「子供?
今日ここには誰も来ていないぞ?
別を当たるんだな」
クキの固有魔法である透過の魔法を知らない警備兵に勇者が経緯を説明すると、警備兵は戸惑いの表情を浮かべる。
「...私はギルドに連絡する。
一刻を争う問題だ。
君たちを通そう。
無事に帰ってこい」
警備兵は勇者達にそう告げると王都へと走って行った。
「よし、行こう!」
勇者とアキレアは森の中へと走っていく。
「クキー!!
どこだ、でてきくれ!!」
姿が見えない相手を探すには、相手にこちらを見つけてもらうしか無い。
二人は必死に叫んで居場所を伝える。
当然魔物もこちらに気づいて襲ってくるが、構っている余裕はなく、逃げの一択でひたすらクキを探す。
そうしているうちに夕日が落ちて辺りは暗くなってしまう。
次第に濃い煙があたり一体に広がるが、二人はお構いなしに声をあげてクキを探す。
「ウェェェン!!」
すると、突如小さな女の子が目の前に現れてアキレアに抱きついてきた。
「お前がクキだな?
良く無事だったな。
もう大丈夫だ!」
アキレアが優しくクキの頭を撫でていると、突如二人は死を覚悟する程の殺意を感じ取る。
「伏せろ!!!!」
勇者はすぐさまアキレアの頭を地面に抑えながら自身も地面に倒れる。
アキレアに抱きついていたクキも地面に一緒に倒れ込んだ。
三人が倒れたタイミングで三人の頭上を衝撃波が通り抜ける。
「あっ、あぶねぇ、、」
アキレアと勇者が二人揃って冷や汗をかいていると目の前から強烈な闇のオーラを纏った魔物がやってくる。
その魔物は下半身が馬のような4本足で、上半身は大きな鎧を纏った人間の体のようだ。
ただ首から上が存在せず、右手には細長い剣を持っていた。
「我、魔王軍四天王が一人。デュラハン。
我の領地に踏み込んできた以上逃しはしないぞ」
その魔物はデュラハンと名乗り剣の矛先を三人に向ける。
「し、四天王だって!?
魔王の次に強いと言われるあの最恐の魔物のことか!?」
アキレアは驚きと恐怖が入り混じった感情が湧き出てくるのを必死に抑えて、クキを守るように両腕でしっかりと抱きしめる。
(まずい、、
僕とアキレアの二人で勝てるわけがない、、
二人で足止めしてもクキちゃんが一人だけでこの森を抜けれるとも思えない。
ここは僕があいつを足止めするか、一緒に逃げながら何とかこの森を抜け出すしかないぞ!)
勇者は頭をフル回転して、今できる行動を一瞬で考えた。
四天王の一人、デュラハンを相手にどうする?
勇者が足止めをして、アキレアとクキを逃す→37ページへ
三人一緒に逃げ出す→38ページへ




