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・実技試験を受ける
受付嬢からギルドの実技試験を行うために、ギルドの奥にある修練場へと案内される。
修練場への入り口を通ったら既に一人の人物が巨大なダンベルを持って筋トレしていた。
「よぉ、君たちが入会希望者だな!
俺はこのギルドの長をしているカマド・ナナツバキだ。
試験は俺に実力を納得させられたら合格だ。
さぁ、いつでもかかってきていいぞ!!」
ギルド長のカマドはスキンヘッドの厳つい風貌で右耳を失っているようだ。
持っていたダンベルを背後に置くとアキレアと勇者に手招きをしてきた。
「早速だな!
いつも通りにいくぞ!!」
アキレアは勇者を一目見ると素早い動きでカマドに接近する。
「らぁあ!!」
アキレアは飛び蹴りをカマドの顔面目掛けて放つが、カマドは仁王立ちのまま避ける様子はない。
「良い蹴りだな」
そのまま格闘家の蹴りはカマドの顔面にクリーンヒットするが、カマドの体は微動だにせず、そのまま格闘家の足を手に取り頭上でブンブンと振り回した後に壁に向かってぶん投げる。
その隙に勇者がカマドの背後に移動しており、カマドの首を目掛けて突きを放つ。
「鉄筋」
カマドは首に力を入れると首元の筋肉が隆起して、銀色へと変貌する。
勇者の剣は弾かれてしまう。
「な!?」
まさか、剣が弾かれてしまうとは思っていなかった勇者は動揺して体を硬直させてしまうが、その隙にカマドはビンタを勇者に繰り出す。
その威力は凄まじく、勇者も格闘家同様に壁まで吹き飛ばされてしまう。
「お前達の実力はこんなものか?」
カマドは最初に立っていた位置から未だに動いておらず、余裕の佇まいを見せている。
「おい、、平気か?」
アキレアがそばに飛ばされた勇者に声をかけてくると、勇者は黙って頷く。
「あれをやろう。
アキレア、僕が時間を稼ぐ」
勇者はアキレアに一方的に伝えるとカマドの元へと走り出す。
「まぁ、やるしかねぇよな、、」
アキレアも納得するように頷くと、目を閉じながら両手の拳を合わせて瞑想をしているようだ。
アキレアから次第に赤色の煙が立ちこみ初め、その煙の量はどんどん多くなって行く。
「あれは、阻止した方が良いかもね」
カマドは勇者の攻撃を捌きながらポケットから石ころを取り出すと、指で弾いてアキレアに飛ばす。
「させないよ!」
しかし、勇者は素早く斜線に回り込んで石ころを全て叩き落とす。
「ほぉ、ならこれは防げるかな?」
カマドは石ころを再び握ると野球のピッチャーのような投球フォームから力強い一球を勇者目掛けて投げつける。
「はぁぁぁあ!」
勇者は剣を力強く振り下ろすと投げられた石ころの威力に押し負けそうになるが、足腰に力を集中させて吹き飛ばされないように踏ん張る。
しかし、勇者の力では弾く事はできない。
そんな威力であることを勇者は悟ると振り下ろした剣の角度を変える。
「防げないのなら、、」
勇者は僅かに石ころの射線を変えることに成功して、勇者は石ころとともにアキレアの真横に吹き飛ばされる。
「十分だ、ありがとな」
アキレアを覆う赤い煙は既にアキレアの体を覆い隠す程の物になっている。
「赤巒」
アキレアは地面を踏み抜いて一瞬でカマドの元へ接近すると、赤い煙を纏った拳をカマドの胴体に叩き込む。
「鉄筋!!」
寸前で反応することのできたカマドは腹筋に力を込め、銀色へと変貌させる。
「「うぉぉぉお!!!」」
アキレアとカマドはとお互いに雄叫びをあげる。
アキレアの拳の威力にカマドはずりずりと後方へと後退りをさせられるが、次第にアキレアの拳の勢いが無くなっていく。
「そ、そんな、、」
アキレアの纏っていた赤い煙は消えてしまうと、その場でアキレアは倒れてしまう。
だが、すぐさまカマドがアキレアの肩を抱いてゆっくりと地面に横にさせる。
「ハッハッハ!
まさか1メートルも俺を動かす事ができるとはな!
合格だお前達!」
カマドは豪快に笑った後に合格を宣言したが、既に記憶を失っている二人には聞こえていなかった。
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そうして、ギルドの一員になった二人は念願のギルドのクエストを受けるために、受付嬢と話をしていた。
「今二人が受けられる討伐クエストだと、Dランクのゴーレム討伐とEランクのグール討伐の二つがあります。
最初はEランクのクエストをオススメしますがどちらをお受けになりますか?」
受付嬢の話を聞いて勇者とアキレアはお互いに顔を見合わせた。
「俺はお前に任せるぜ!」
アキレアに任された勇者はどちらにしようか悩み始める。
Dランククエスト→33ページ
Eランククエスト→34ページ




