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二択物語  作者: 轟号剛


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14ページ

・怪鳥と対話する


勇者はエルフの老人の言葉に黙って頷くと、怪鳥に向かって弓矢を放っている高台へと足を運んだ。


「おーい!

 上空を飛ぶ魔物よ。

 君と話したい事があるんだ!

 聞こえているんだろ?

 もし、この声が聞こえているならこの里の手前に位置する泉に来てくれ!

 君の話しも聞けるのであれば何かしてあげれると思うんだ!!」


勇者はできるだけ声を張り上げて怪鳥に叫んだ。


その様子を見ていたエルフの兵達は矢を撃つのをやめて怪鳥の挙動を注意深く観察している。


怪鳥がこの里に降りてこようとするならば、すぐに矢を放てるよう、構えは解いてはいない。


怪鳥は上空を3周回った後、勇者が指を差した位置にある里の手前にある泉へと飛んで行った。


その行動を見た勇者もまた、高台から降りて泉へと走り出した。


勇者はエルフの里に来る途中で水が湧き出る音と、匂いで泉の存在を知っていたのだ。


里に向かう途中は白い煙によって視界が悪くなっていたが、里からでて行く際には煙は出て来ず迷わずに泉へと辿り着いた。


そこには既に怪鳥が降り立っており、勇者の事を見下ろしている。


「僕の言葉を聞き入れてもらえた事、感謝します。

 僕があなたと対話したかったのは、度々エルフの里に降りて食料を奪って行く理由です。

 わざわざ何故、里から奪って行くのでしょうか?

 あなたなら野生の動物などを狩ることもできるでしょう?」


勇者は戦闘の意思が無い事を証明するために腰に刺した剣を鞘ごと背後へと投げ捨て、怪鳥と対話する。


「アタシはね、今新しい命をお腹に宿してるのさ。

 だから沢山の栄養が必要なの。

 だけどね、ここら一体の動物を狩ろうとするとエルフ達が邪魔してくるのさ。

 果実だけだと、お腹の子の分まで栄養を行き渡らせるには大量に必要なんだ。

 だから奴らの食糧庫で毎回食事をとってるんだよ」


エルフは自然と共に生きる部族。


エルフは動物と共に生きているため、怪鳥による動物を殺傷する行為を止めていたのだろう。


「そういった理由があったのですね、、

 それなら、その理由をエルフの長老に話して食料をあなたに分け与えるように説得してみます。

 それができないのであれば、動物の捕食をさせるようにとも。

 なので、エルフの里を襲うのはやめてもらえないでしょうか?」


勇者は頭を下げ怪鳥に問いかけると、怪鳥は頷きを返し大きな翼を広げる。


「確かにそれだったらアタシがあそこを襲う理由もなくなるわ。 できるなら、、ね?」


怪鳥はそのまま上空へと飛び、どこかへ行ってしまった。


-


里へ戻った勇者は事の顛末をエルフの老人に伝えると、老人は納得したように怪鳥への食事を毎日用意することを勇者と約束した。


実際に次の日に怪鳥がやってくると、エルフの兵は怪鳥を攻撃せず、用意された食事を怪鳥へと差し出した。


「まさか、本当にあの約束が守られるなんてね。

 アナタには感謝するわ」


怪鳥は食事を食べ終えると、近くで見ていた勇者に感謝の言葉を伝える。


「いいや、別に僕は平和的に物事が解決できたならそれでいいんだ」


勇者はにこやかな表情で怪鳥からの言葉を受け入れる。


「アナタにお礼がしたいからちょっと来てくれる?」


怪鳥の言葉を聞き勇者は驚きを示すが、すぐに怪鳥の提案を聞き入れ怪鳥の背中へと飛び乗る。


怪鳥の向かう先には巨大な巢が崖の上にあり、怪鳥はそこに着地する。


「ここがアタシの家なんだけど、これを見てちょうだい」


怪鳥はそう言って足をどけると1メートル程の大きの卵があった。


「これはアタシが産んだ卵じゃないのよ。

 多分これは竜族の物なんだと思うわ。

 竜族は他の種族の巣に卵を産んで孵化するまで育てさせるって聞いた事があるの。

 今回のお礼にこれを貴方にあげようと思ってね。

 まぁこれが要らないっていうんなら、、

 そうね、アタシの羽を数本あげてもいいわ!」


竜族の卵、それは希少価値がとても高く売ることもできるし、強力な武具の素材としても使われる。


対して、怪鳥の羽は天を歩く事のできる装備の素材として広く伝わっており、これもまた希少価値の高い物だ。


どちらを貰おうか?


竜族の卵→27ページへ

怪鳥の羽→28ページへ



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