13ページ
・怪鳥を退治する
「わかりました。
あの怪鳥を打ち取ってこの里の脅威を振り払いましょう」
勇者はエルフの老人の頼みを聞き入れると、エルフ族の武器庫から弓矢を持ち出し、高台へと足を運んだ。
高台からは既にエルフ族の兵士が怪鳥目掛けて矢を放っていたが、素早く動く怪鳥には一本も当たることはなかった。
「この現場の指揮を僕に任してもらえないでしょうか? あの怪鳥を倒す作戦があります」
勇者は現場の指揮をしていたエルフに提案すると、勇者と一緒に高台にきていたエルフの老人の側近が指揮をしている人物に耳打ちで何かを伝える。
「分かった。
ここの兵を好きに使ってくれ。
で、その作戦とはなんだ?」
勇者の提案に最初は怪訝な顔を見せていたエルフの男であったが、側近の話を聞いて素直に勇者の提案を呑むことにしたようだ。
「今、この兵達は怪鳥を直接狙って矢を放っていると思いますが、狙いを怪鳥の飛行する進行方向にして欲しいのです。
そして怪鳥の逃げ先をある地点に誘導して下さい」
勇者は指揮官のエルフに詳しい作戦の内容を伝えると高台から降りて別の場所へ向かい走り出す。
勇者からの作戦を聞いた指揮官は兵達にすぐに指示を出すと、その指示通り上空を飛ぶ怪鳥の進行方向へと矢の狙いが切り替わる。
怪鳥は進行方向に矢が飛んでくるため急降下して矢を避けるが、続いて急降下した先にも矢が飛んでくる。
そうして怪鳥が次々に進路を変えて飛行して行く先にはエルフの里で一番大きな木があった、
その大きな木の影に隠れてしまえば高台からは死角となってしまい、矢の嵐から身を守る事ができるだろう。
怪鳥はそのことに気づくと大きな木の上空を超えて急降下する。
しかし、怪鳥はすぐに異変を感じ取る。
鼻を刺激するのは火薬の匂い。
木の頑丈な枝のあらゆるところで爆弾が仕掛けられていたのだ。
「皆さん指示通りの地点への誘導感謝します」
勇者は少し離れた場所の木の上で矢を構えていた。
その矢の先端には火が着いており、火薬を爆発させるための火種としては十分である。
勇者は迷うことなく矢を放つと、怪鳥は急いで翼を広げて上空への離脱を試みる。
だが、怪鳥が体勢を立て直すよりも早くに勇者の放った矢が爆弾に当たってしまう。
爆弾は爆発して他の爆弾も誘爆。
巨大な爆発が辺り一体を包み込む。
かのように思えたが、勇者の放った矢が当たった爆弾は爆発せず、矢の先端に引火していた火も消えてしまっていた。
怪鳥は動揺して一瞬硬直してしまうが、その隙をエルフの兵達は見逃さなかった。
次々に怪鳥に矢が当たると、怪鳥は悲鳴と共に地面へと落下する。
勇者は落下した怪鳥の元へと走って辿り着くと腰に刺していた剣を引き抜く。
「まっ、待ってちょーだい!
命だけは助けて!
もう二度とこの里に近づくようなことはしないからお願いよ!!」
怪鳥は勇者に恐怖の眼差しを向けながら、大きな声で命乞いをしている。
しかし、勇者は引き抜いた剣を高く持ち上げて怪鳥の首元まだ近づいて行く。
「わ、分かったわ!
だったらとっておきの情報わあげるわ!
アタシの命なんかよりもとても有益なものよ!」
怪鳥のその言葉を聞いて勇者は持ち上げた剣をおろして、問いかける。
「その情報とは何の情報ですか?」
勇者の問いに対して一瞬怪鳥は迷った素振りを見せるが、すぐに口を開いた。
「魔王軍四天王の一人の居場所についての情報よ、、」
魔王軍四天王とは魔物を束ねる王、魔王が最も信頼を置いている4人の魔物のことである。
「その情報を話す代わりにアタシの命を助けてちょーだい!お願いよ!!」
必死に命乞いをする怪鳥の前で勇者は悩む。
確かに四天王の居場所は有益な情報となるが、この魔物が嘘をつく可能性もある。
情報を吐かせた後でこの怪鳥を殺すという選択肢もあるが、それは勇者の心情とは反するものだ。
どうしたものか?
怪鳥に四天王の居場所を聞き出す→25ページへ
怪鳥をそのまま倒す→26ページへ




