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・ダンジョンに行かない
「悪いが、ダンジョンにはまだ僕の実力では行かない方が良いと思うんだ」
勇者がケイジュの話を断ると、ケイジュは特に顔色を変えずに頷きを返す。
二人はパーティを組んだ後は連携を深めるために魔物を狩り続けた。
しかし、三回目の戦闘でケイジュが魔法を使った際に杖の先端が破裂してしまう。
幸い相対していた魔物は勇者単独でも勝てる相手だったため、大事にはいたらなかったが杖を新調する必要が出てきた。
「悪いが杖を新しくするために俺の故郷である魔女の集落に来てくれないか?
俺の使ってる杖は特別であそこでしか作れないんだ」
魔女の集落とは、魔法使いだけが暮らしている村である。
そこに暮らす魔法使いはなぜか女性の割合が非常に多いため、魔女の集落と呼ばれている。
「あぁ、別にいいよ」
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勇者もケイジュの提案を受け入れたことで、二人は今魔女の集落へと足を運んでいた。
「俺は杖を買いに行ってくるからそこら辺で待っといてくれ」
ケイジュは青いローブを揺らしながらどこかへ歩いて行ってしまった。
勇者はせっかく訪れた魔女の集落を見学するために歩いて見ることにした。
魔女の集落は全ての家が奇抜な形をしており、個性的な感性を持っている事がすぐに分かった。
「珍しいのぉ。
こんなとこに普通の人間が来るなんてどうかしたかな?」
適当に道を歩いていると、青いローブに身を纏った老人が勇者に話しかけてきた。
「私はここの出身の魔法使いとパーティを組んでいて、今回はその付き添いとしてここに来ました」
勇者は老人に笑顔で経緯を説明する。
「そうかそうか、それはご苦労様じゃのぉ。
ワシはここの集落の長をやってるバーベナじゃ。
よろしく頼む」
バーベナと名乗る老人は勇者と握手をすると再び口を開く。
「見たところお主には秘められた力があるようじゃのぉ。
どれ、ちょっと着いてきてくれないかな?」
バーベナは勇者の瞳を眺めたあとに勇者に背を向け、トボトボとゆっくり歩き始める。
勇者は突然のことに困惑するが、大人しくバーベナの後ろを着いて行くことにしたようだ。
そうして、老人と勇者は青色のテントの中へと入って行くと、中には透明な水晶玉が宙に浮いていた。
「さてさて、ちょっとそこにいといてくれよ」
老人は水晶を挟んで勇者と対角の位置に座ると水晶に触れて何か呪文を唱え始める。
すると勇者の体から一瞬薄い光の膜が現れ、すぐに消え去る。
「やっぱりのぉ。
お主には、特殊魔法を使うための器があるな。
その気があるならその魔法を使えるようにしてやるぞ?
それとも、魔法の器を触媒に身体能力の強化を施すこともできるが?」
勇者は何故か目の前のバーベナの言葉がすんなり自分の中に入っていく感覚を覚える。
急展開な現状に何故か疑問を感じない、そんな感覚である。
「そうですね、、」
勇者は一呼吸おいた後に老人に回答する。
「魔法なら既にパーティで使える人がいるので、身体能力を高めるために使ってください」→23ページへ
「特殊魔法を使えるようになれば、臨機応変に戦闘を行うな事ができそうだ。
お願いします!」→24ページへ




