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・復興作業を手伝う
勇者は無我夢中で資材を運びハンマーを振って修繕作業に取り組んでいた。
そうしている間は罪悪感がわずかに和らいでいたのだ。
「なぁ、聞いたか?
何でも城下町の孤児院を経営していた大人が今回の襲撃で亡くなっちまったから、あそこの孤児院が閉鎖されちまうんだとよ」
一緒に修繕作業を行っていた男が勇者に手を動かし続けながら話してくる。
「えっ?
それじゃぁあそこにいた子供達はどうなってしまうのですか?」
勇者は男の話に驚き持っているハンマーを落としてしまう。
「俺に聞かれてもしらねぇよ。
まぁ恐らく国が貴族に引き取りを命じるだろうが、育てたくもねぇ見知らぬガキを引取らされるんだ。
良い扱いはされねぇだろうな」
男は勇者の体にぶっきらぼうに答えるとその場から離れていってしまった。
「僕が助けられなかったから、、」
勇者の脳裏には助けられなかった孤児院の大人達の姿が浮かんだ。
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「せんせー、おはようございます!」
「今日はスライム退治しに行くんだよね!
早くいこーよー!!」
「皆んな先生が困ってるでしょ!
静かにして!」
勇者がとある部屋に入ると沢山の子供達が勇者に話しかけて来た。
ここは孤児院。
勇者はいなくなった大人達の代わりにこの孤児院を買い取り経営することにしたのだ。
「ちょっとアイリス。
もう先生来たんだから素振りやめなよ〜」
部屋の隅で素振りを続けるアイリスと呼ばれた少女に対して他の子供がな話かけるが、アイリスは構わず素振りを続ける。
「私は一刻も早く強くなりたいんだ!
もうあの時みたいに私のせいで誰かが死ぬのは嫌なんだ!!」
アイリスは以前魔物の王都侵攻があった際にゴブリンに襲われていた少女だ。
「私が今度はこの国を救える存在になる!!」
アイリスの瞳は力強く輝いており、その様子を眺める勇者の心は子供達の成長に大きな期待で膨らんでいた。
ending11 希望の種




