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・このままもう一度眠りにつく
「ん、ふわぁぁ」
ベッドから目覚めた勇者は伸びをしながら起床する。
外はちょうど日の出たタイミングで明るくなり始めているようだ。
側には体を丸くして眠っている狼とその狼にもたれかかって寝ているグリムがいた。
「体の痛みも大分取れて来たな。
ちょっと外の空気を吸いにいくか」
勇者はグリムと狼を起こさないように静かに外へと出ていく。
「すぅぅはぁぁ」
勇者は長めの深呼吸をして外の澄んだ空気を体の中に取り込む。
すると一匹のうさぎが木の影からこちらを覗いているのに気づく。
「ふふ、怖くないよ。
おいで」
勇者はそのうさぎに手招きをすると、うさぎはピョンピョンと勇者の元へと駆け寄った。
「グリムが可愛がってる動物なのかな?」
妙に人懐っこいうさぎの背中を撫でながら考える。
するとうさぎが可愛がられている姿を見て安心したのか周囲から狐や小鳥、猿など様々な動物が勇者の元へとやってくる。
「おいおい、皆んなどうしたんだい?」
勇者は余りの出来事に放心していると、家からグリムが出てきた。
「どうやらお前さんは動物に好かれる才能があるようだな。 俺が普段みねぇ動物からも好かれてるたぁ中々だぞ」
グリムは豪快に笑いながら勇者に話す。
「どうだ、お前さんも一緒に森人にならねぇか?
お前さんがいりゃぁ俺も安心できる。
この腕だと守れるもんも守れねぇからな。
一緒にこの森を守って欲しい」
グリムは自身の失った右腕を悲しそうな表情で見つめながら勇者に問いかける。
「・・・」
勇者は考える。
自身の旅はここで終わって良いのかと。
自身に課せられた役目はまだ果たせてはいないのではないかと。
「プープー!」
すると自身が抱き抱えるうさぎが勇者に向けて鳴き声を放ってくる。
そのクリクリとした綺麗な瞳を見て勇者は決意する。
「ここが僕の旅の終着点だ」
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それからの勇者はグリムと共に森の平和を守りながら動物達と安らかに暮らしていった。
ending10 のどかな日常




