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・火山
王都を出てから勇者は1ヶ月間、村に泊まったり野宿をしながら目的地であるハイビス火山の麓へとやってきた。
「ここでも相当な温度だな、、」
勇者の背負う大きなリュックには大量の食料と水が入っているが、長期間滞在する為には水源をとにかく見つける必要がある。
勇者は火山を登りながらある物を探していた。
火山を登る勇者の視界には落石や溶岩しか映っておらず、勇者は不安になりながらも上へと登り続ける。
「ハァ、、
あった!!」
勇者は100メートル程離れた位置に一本の木を見つける。
その木には葉がついておらず丸太の様な形である。
その木の名前はオレガン。
オレガンの表面に傷をつけると中に蓄積されている水分を放出するという、ハイビス火山唯一の水源である。
勇者は駆け寄るようにオレガンに近寄るが、オレガンの木の後ろから突如魔物が飛び出してくる。
「なっ!」
勇者は急いで剣を抜いて魔物からの攻撃を防ぐ。
「キキ!」
現れた魔物はヒートモンキー。
火山地帯に生息しており、体から溶岩を垂れ流している人間ほどの大きさの猿である。
「どうやらここら辺は君の縄張りのようだね。
ちょうど良い修行相手だ」
勇者は剣に魔力を込めて炎を生み出す。
「はっ!!」
勇者は炎の斬撃をヒートモンキーに飛ばす。
しかし、ヒートモンキーは避けようともせずに直撃するが、ヒートモンキーは何事もないように勇者に襲いかかってくる。
「そりゃぁ効かないよね」
勇者は背負うリュックを地面に置くと、襲いかかってくるヒートモンキーの攻撃を避けながらお腹へと剣を突き刺す。
ヒートモンキーは体が溶岩で守られているが、唯一お腹の部分は溶岩に囲われておらず柔らかい状態のため剣はすんなりと刺さった。
「内臓は燃えるよね?」
勇者は改めて魔力を込めるとヒートモンキーの体の中で炎を放出させる。
「キャァァァア!!」
ヒートモンキーは甲高い悲鳴を上げながら勇者を突き放そうと、腕を振りかぶるがそこで命が途絶えてしまった。
「ふぅ、、
ヒートモンキーに燃やせる程の火力を手に入れないとここではやっていけなそうだな、、」
たまたま今回は弱点が分かっている魔物との遭遇であったが、未知との魔物の遭遇した場合は今回ほどすんなり倒す事はできないだろう。
勇者はため息を吐きながらオレガンへと近づく。
だが、突如として上空から強力な魔力を感じ勇者は顔を上げる。
「ヒートモンキーの断末魔が聞こえたと思ったら、人間か。こんな所に何のようだ?」
上空で勇者を見下ろすのは全身が炎でできた魔物であり、その存在は世界で広く伝わっている。
「四天王、、イフリート」
勇者は大量の冷や汗が体から出ている事を感じていた。
四天王とは魔王の次に強いと言われる四体の魔物であり、到底今の勇者では太刀打ちできない存在である。
「逃してはくれなそうだな、、」
勇者はゆっくりと剣を上空にかざし炎を纏わせる。
「やってやる」
勇者は覚悟を決めた目でイフリートを見つめるとイフリートはニヤリと笑う。
「へぇ、いい根性してやがる。
そういうのは好きだぜ」
イフリートは両手から大量の炎を放出させ巨大な炎の塊を作り出して行く。
「だが、実力不足だ!」
イフリートが巨大な炎の塊を勇者目掛けて放つ。
「取り込め火炎剣!!」
勇者の持つ剣をは炎を生み出し操る特性を持つ。
当然イフリートから放たれた炎も操る対象である。
勇者の剣が放たれた炎の塊に触れると剣の中に炎がどんどん吸収されて行く。
しかし、剣の許容量を超えたのか徐々にヒビが入っていき、次の瞬間剣が砕けてしまった。
そして炎の塊は勇者を呑み込み体を塵ひとつ残さずに燃やし尽くしてしまった。
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