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ショッピングモール

今日は日曜日。

俺は歯磨きをしている。

──この生活にもだいぶ慣れてきたな…知っているか?朝の口の汚れは便器と同じ…


「来栖ーーおっはーー!!」


今日も元気がよろしいゆずの登場だ。


「おはようーー」


──元気になるのも分かる、何故なら今日は俺たち園児組は外出日だからだ。


朝ごはんを食べていると院長に呼ばれた。

──特に問題行動してた訳じゃないから怒られることはないとないと思うけど…


「最近、ゆずと仲いいけど何かしたの?」


──あーなるほど、そういうことか。たしかに仲良くなるのが急すぎるし、あのゆずの性格もあるしな。


「別になんもないですよ、ゆずとはたまたま意気投合しただけです。」


院長は半信半疑そうだったが


「まぁいいわ、今後ゆずをよろしくね。呼び出してごめんね、服着替えてきなさい。」


「はーい」


◼️◼️◼️


ショッピングモールに到来。

──ここ、久しぶりに来たな…店舗ほとんど変わってるのは残念だな。

さすがに院長1人では幼児7人を見るのは不可能に近いため助っ人ととして孤児院の中学生を呼んだ。院長と中学生の2手に別れるそうだ。

「ゆず、せっかくだし中学生の方行こうよ。」


「ん、おーけー」


そうして院長が


「中学生の方について行く人ーーー」


手が3本上がった。しかしその中に"ゆず”がいなかった。


  "は?”


何故かゆずは院長の班に手をあげていた…

──いや、なんでや?!俺、嫌われることしたか?!


すると中学生の子は


「じゃあ自己紹介します、今年で中2になる石倉佳奈です。今日一日よろしくお願いします。」


「じゃあ佳奈、また会いましょう。」


「はい院長。」


かくして中学生と30過ぎのおっさんと幼児2人の奇妙な旅が始まるのであった。


しかし、幼児2人は仲良いらしく俺はボッチとなった。それを見かねたのか石倉佳奈が俺に話しかけてきた。


「来栖くんだっけ、どこ行きたい?」


「特にないんであの2人の方に聞いてみてください」


──正直何があるが分からんし周ってるだけで楽しいまである。

それを聞いた幼児2人は


「お絵描きするとこに行きたい!!」


と、チラシを指さした。そこには『お絵描き教室』とその場所が書かれていた。


「じゃあここに行こっか!!」


そこに道中にアニメイトの前を通った。すると、石倉佳奈が入りたそうな目をした。


「アニメ好きなの?」


「どうしたの?別にみ、見てないよ。」


「僕たちの魔力を奪って再生…」


「まるで将棋だな!!」


「アニメみてる?」


「見てないよ。」


「大罪司教怠惰担当…」


「ペテルギウスロマネコンティです!!」


「アニメみてる?」


「ミテナイヨ」


──さすがに言い逃れはできないな


「バレちゃったか…そうだよ好きだよ悪いか?!というか、あなたも見てるの?」


「ちょこっとだけね。」


嘘である。この男前世では生粋のオタク。家をアニメイトが近くにあるからなんて理由で決めたレベルだ。しかし、この体になってから全然見ることが出来ていないということでかなり溜まってる。あとプロセカ好き。

──今度気が向いたら話しかけよう。


そうしてお絵描きコーナーに着いた。

──さーて何書こうかな。おっ絵の具あるやん!!

いつも以上に気合いを入れ絵(抽象画)に取り組んだ。


数分後、事件は発生した。


「この絵の書き方、お前さんもしかして!!」


と知らないおじさんが俺の書いている絵を見て後ろから話しかけてきた。

──なんだ、どこかで見たような…


「あの、どうしたんですか?」


「君が来栖で間違いないのか!!」


「は、はぁまあ」


「やっと見つけたーーーー!!!」


──誰だこのおじさんは…会ったことないし…通報を…


「すまない、紹介が遅れた。私、こういう者です。」


そう言い名刺を渡された。

──えーと名前は椎名凛(しいなりん)…ってえええ?!あの椎名凛?!

椎名凛は知る人も知る日本の誇る超天才美術家。俺が美術の始まるきっかけになった人でもある。

──老けてて気づかなかったよ。

それはそのはず俺が知ってた時からかなり時間が経過しているからだ。


「で、なんで俺に?」


普通だったら通報しさよならバイバイだが、石倉佳奈は2人を見るので忙しそうでこちらを見れないと思い話すことにした。


「ふっふっふーそれは…」


 "ゴクリ”


「君が描いた絵が素晴らしかったからさ!!」


──俺絵なんかを出してないような…あ?!

出していた、それも保育園にいた時に。


「君の描いてた絵は抽象画というものだ、常人にはあまり理解されない…なんだったら私でも偶に何がいいのか分からなくなる。」


と、自信満々に豪語した。

──お前もわかんないのかい…まぁ気持ちは分からんでもないけど。


「君が無意識にやってるにしても私は君の絵がすごく気に入った!!今後私の絵の教室に通わな…」


「嫌です」


椎名凛の教室と言うと1年とか結構待たなくてはいけない。興味はあるが、やはり身の上仕方がない。


すると周囲がザワザワしてきた。恐らく椎名凛に気づいたのだろう。

──こんだけでっけ声で喋ってんだし当然だな。


「む、人が集まってきたな…はっはー私は諦めんぞー、絶対教室に通わせてやるからなーーー」


そう言い終え速攻で帰っていった。

──よし!!見なかったことしよう…

俺は絵を描き続けた。


「かんせーーい!!」


なかなかの上出来だ。だが椎名凛のようなやつが出てくるかもしれないという不安もある。


その後は石倉佳奈の方が終わったのを確認して、みんなで適当にブラブラして終わった。


院長の方と合流し、ゆずに何故院長の方に行ったのかと聞いてみたが教えてくれなかった。



◼️◼️◼️


店が閉店し客がいなくなった後、店長に頼み込み椎名凛は今日描いた来栖の絵を見せて貰うことにした。


昼間の幼児、あの幼さだ明らかに私が誰か分かっていた。それに、この絵から明らかに、以前絵をやっていなければできない技術がある。

──そして、この抽象画はいったい何を指しているのだ…


「何者だあの少年」

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