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「パンプキン・クイ~ン」

 ショーパブ、パンプキン・クイ~ンは盛り上がっている。

 華麗なバタフライを付けた、トップレスの美女系ニューハーフに交じって、凄いのが4人いた。


 黒とピンクの二着のシースルーのネグリジェを、太った肉体にぐるぐると巻き付けた、五十路のママ、あぐりと、白い経帷子のような着流しを着た、スキンヘッドなのだが、そのぶん化粧のどぎつい、なすびである。

 四十路のナミちゃんが、若い美女系ニューハーフ達と張り合って、あくまで同じエロチックな、オッパイ丸出しの衣装を着ているのも不気味だ。


 チイママは三十代の、こいつも変だ! 髭剃り跡も青々しく、長身で筋張っていて喉仏も大きい。

 男性ホルモンは人並以上に活発な感じ。

 これじゃまるっきりの男じゃないか!

 バレエのチュチュを着ていて、その名も乙子おとこという。


 まるで、一人で「モンテカルロバレエ団」をやってるみたいだ。

 この、頭の抜群に良い乙子は、企画に演出に司会にと大車輪の活躍なのだ。


「凄いわねえ。練習大変じゃない?」

 伸恵は、全国オカマの中で1番身長が低いというのがウリの、百四十五センチの可愛コちゃん、ちいちゃんに話しかけている。

 ちいちゃんは、自分自身の、むき出しの綺麗な乳房を、ぐっと握ってみせた。


「乙子さんが鬼のように厳しいの。毎日もう、くたくたよ」

  声は、野太い男のものであった。


 なすびのスキンヘッドと経帷子は、毎回ショータイムの後、女性客の寄せ書きでいっぱいになる。

 女性客もけっこう多いのだ。


 そして、酔っ払って嬌声をあげて大騒ぎの店の中、男の客も、女の客も、オカマ達も、伸恵を除いて誰一人気付かなかったのだ。

 大男のモータウン田村の、大きなズボンの裾から、赤黒い、なんともいえないおぞましい形体の、大きな蛭が、新しい宿主を求めて、無数に這い出してきた事を。


 仰天した伸恵は、友和とナミちゃんの耳を引っつかみ、有無を言わさずドアの外へ引っ張り出した。


「私、見たわ! あの男のズボンの裾から、何か得体の知れないものが、四方八方へ這い出してきたのよ!」





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