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異世界転生事情〜ドレミ王国の場合〜

作者: HAL

息抜きに書きましたおバカな話です。

かるーい気持ちでお読み下さい。






「そもそも、逆ハーとかありえない。好感度上げる為にあっちの男こっちの男って、現実でやる?」


「同感だ。男女逆でも俺的には無いわ」


「でも貴方もあの子の攻略対象だったのよね」


「いやハード過ぎるだろ…設定どうなってる?R指定か?」


「あー…まぁ、本来の(・・・)貴方なら、ね」


「マジかよ…国家転覆するだろ…」


「そうならない為に私、頑張ったんですけど!絶倫野郎のアンタに毎日抱き潰されて八人も産んだのよ!?」


「あと一人で野球チームが作れるな」


「バカなの?!まだ頑張るつもり?!」


「仕事ができるやつは何人いてもいいんだ!俺はもっと休みが欲しい!王様みたいにダラダラしたい!」


「いや、貴方もう二十年も王様だけど。人員削減したのも貴方だし?」


「あんなのに統治されたらこの国が破滅するからしょうがなくだ…俺だってお前と異世界ライフ楽しみたかったのに…」


「ん゙ん゙っ…えと、…私も、そりゃあ、貴方とイロイロ気兼ねなくしたかったけど…」


「イロイロ、なんだ?」


「色々………でも!私達がこうしてちょこちょこゲームと変えてるのにヒロインは何で気付かないのかしら…馬鹿なの?」


「攻略対象の王子の名前が、王の子供じゃなく王兄の子供の名前になってるのにな…頭が花畑の奴はよーわからん」


「ねぇ、見てあれ。馬鹿が何かやってる」


「普通、いくらヒロインに転生したからってゲーム通りに王子を誑かすか?うまく行った所であの頭じゃ王妃教育どころか貴族の一般的な教育にすらついていけないだろ。俺達みたいに生まれながらに教育されてきたんならともかく」


「いくらR指定のゲームでも、頭も貞操も緩くて落とせないと思うんだけど。うちの子供達大丈夫?ああいう一見守ってあげたい&能天…お元気娘にひっかかったりしてないかしら」


「ハニートラップね…二十歳若くても正直全く好みじゃないな。ハハハ」


「やだ貴方そんなはっきり。フッ、フフフ」


「―――いや、笑い事じゃないですよ父上母上」


「あら、どうしたの?貴方学生なんだから向こうの会場の方にいなくていいの?」


「お前、若いくせに苦労性みたいな空気出してるよな。そんなんじゃ宰相みたいに『若年寄』ってあだ名がつくぞ?」

 

「その名付け親は父上じゃないですか。…とにかく、早いとこアレ何とかして下さい。お二人は国王と王妃なんですから」


「そうだったわ。アレなに?断罪劇?」


「また婚約破棄か?」


「私、前から思ってたんだけど、学園生活最後の舞踏会で婚約破棄の断罪劇を最初にしたのって誰なんだろ。普通に当事者だけでやれば良くない?なんでわざわざ人前でやるの?しかも婚約者がいくら性悪だとしても、解消する前に他の女性と懇意になるとか王子でもクズでしょ。側妃を持っていい国王じゃないのよ?たかだか一王子の分際で何様?そんな頃から種ばら撒くような人間が国のトップにはなってほしくないわ。税金は愛人に使うためのもんじゃないんだっつーの」


「長っ、息するように毒を吐いてるな。まぁそこはほんと同意する。断罪劇流行らせたやつ責任取るべきだな」


「いえ、兄上は無関係です。貴方がたの息子なんですからもっと信用して下さい」


「じゃああの子は何をやってるの?司会?議長?」


「ちょっとお前も行って書記やれ。議事録とってこい」


「そんな記録、国庫に残せませんって」


「そのツッコミ体質は誰に似たのかしら」


「まぁ中身はお前が一番年上だしなぁ」


「……事態の収拾をつけるための権限を宜しいですか」


「おう!任せたぞ」


「…お母さんちょっと見に行っていい?」


「駄目に決まってるでしょ」




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




「我が息子ながら苦労性だわ。不憫ね」


「まぁうちの家族はどういったわけか、みーんな前世持ちだからなぁ…苦労するよな。親の俺達は楽だけども」


「そうね。子育てに困らなさすぎて子沢山になれたわ…」


「お、早速あいつの参入で進んだようだぞ」


「お兄ちゃんは優しすぎるから人の話を聞きすぎるのよ。見てあの子、ザックザック切り捨ててるわ。あのピンクのお花畑の顔…っ、フフフ」


「お、目配せ来たか。そろそろ俺の出番だな。いっちょ王様っぽいとこ見せてくるわ」


「いってらっしゃ〜い」



「静まれ!此度の騒動、どういったものか説明せよ。第三王子ファラス、前へ」


「―――はい、陛下。簡潔に申し上げますと、王兄殿下のご子息であるフラット殿下がそこの男爵令嬢と共謀し、我が兄、第二王子レオンを籠絡し、婚約者の座をすげ替えようと」


「もっと簡潔に」


「…兄上と兄上の婚約者に横恋慕して玉砕し、逆恨みによる事件かと」


「(ぶっ、ダサ)」


「…ゴホッ!(聞こえましたよ母上!皆に!こんなシンとしたとこで)加えて、フラット殿下の婚約者のティンパニー嬢が男爵令嬢に危害を加えようとしたとの訴えで、二人の婚約を破棄するとの一方的な宣言が殿下側からされています」

 

「…ふむ。この場所で?両家の話し合いもなく?」


「はい。このような場所で、です」


「その女はフルートを階段から突き落としたんだ!そのせいで彼女は大怪我をしたんだぞ!?嫉妬に狂った性悪女など、私の婚約者に相応しくない!ゆえにここで婚約を破棄したのだ」


「黙れ。フラット、お前の意見は聞いておらぬ」


「っ!しかし、叔父上!」


「陛下の命に背くかフラット。口を開くでない」


「くっ…分かりましたソプラノ様」


「フラット。いくら兄上の子とはいえ、許しもなく我が妃を名で呼ぶのは不敬とみなす。二度はない」


「はっ…!御無礼をお許し下さい」


「まぁまぁ、陛下。今は学園祭の舞踏会―――お祭りですもの。無礼講とまではいきませんがその位で」


「君が許すのなら…」


「フフ、ありがとう。ところで不思議なんですが…何故階段から落とされて大怪我をするのですか?」


「あのっ、あたし、フラット様の治癒の魔法で治して頂いたので、今はすっかり元気で!」


「…おかしいですわね?」


「何故ですか、王妃様。私が、出来損ないの王兄の子だから治癒の魔法も使えないと?」


「まさか!貴方の力など全く気にしていませんわ!」


「、っ!く…」


「(母上分かってて煽らないで下さいって…)王妃様が言いたいのはですね、フラット殿下」


「なんだ!」


「魔力の強い人間だけが入学出来るこの学園で、防御も浮遊の魔法も出来ないのはおかしい、ということです。誰に突き落とされたか分かるのに、なんの対策も出来なかったのは何故ですかオーボエー男爵令嬢」


「そ、れは。だってあたし」


「才能のない方は残念ですが退学していただくしかないですわね。国民の税金で運営してますもの、無駄遣いはいけません」


「そんな!!待って下さい!あたしはフラットに言われたからそう言っただけで…!」


「おいっ!この馬鹿が!!」


「なんですって!あんたこそすぐバレるような事言わせて!」


「あーまぁなんだ。ファラス、あとは任せた」


「はい。―――衛兵!この二人を別室(・・)へ!丁寧に送って差し上げろ!」


「「「はっ!!」」」


「な、なんだ貴様ら!何をする!」

「ちよっと、触らないでよ!!」


「学園の皆さん。今のは余興とでも思って引き続き舞踏会を楽しんで下さい―――音楽を!」



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「あの子も、もっとやりこんでいればゲームと違うって分かったはずなのにねぇ。レオンの婚約者のカノンちゃんは気付いていたみたいだし」


「本来、王は兄上でお前も兄の妻のはずだったしな」


「…だからこそ早々に、アルトに純潔を捧げたじゃない。ゲームではお互い想い合ってた、って設定があったし」


「いやほんと、好きな子に『貴方の子供が欲しいです!』なんて言われて、俺、ちゃんと勃つかなって思わずムスコを励ました」


「もうっ!その話は…!」


「その前からソプラノの事はずっと見てたから。同じ(・・)なんじゃないか、って。十五で母親にしてごめんな」


「私が望んだの。利用したのよ…貴方の兄と結婚したくなくて」


「…お前が欲の発散って形で魔力溜まりを無くしてくれたから、俺は、今ここにいられる。でなきゃ、魔力を暴発させて十年は幽閉されてたからな」


「貴方、ホント性欲お化けみたいだったわよ…」


「まぁそこは『愛』って事で」


「…愛なの?」


「側妃を娶れと声をあげる暇すら与えない寵愛っぷりで八人だ。王家も国も安定!夫婦円満バンザイだ」


「ふふっ、そうね。愛してるわ、アルト」


「俺も愛してるよ、ソプラノ。んじゃ、もう一人、頑張るか!」


「ええっ?!本気?あ、や、ちょっと待って、どこに連れて、ああん、もう!!」





―――ドゥレミー王国ではその後、集団の前での婚約破棄が禁止された。

 そのためか、前世持ちが転生する輪廻から外れ、悲劇の断罪劇がその後起こることは無くなったそうだ。



兄弟姉妹の名前はドレミファソラシドの順です。

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