ども、ざぶざぶ河童堂です!
ども、ざぶざぶ河童堂です!
ドンドンドン! ドンドンドン!
「頼も〜っ! 頼も〜っ!」
ドンドンドン! ドンドンドン!
「頼も〜っ! 頼も〜っ!」
「開いてるよ! 誰〜っ?」
「ガラガラガラ〜アッ!」
「そんな音、しないって! 誰だよ!」
「ども、河童堂で〜す!」
「静かに、来れないのかよ! 全くっ!」
「ども、三つ目ちゃん! おっ久〜! あらためまして、ざぶざぶ河童堂です! 御注文、有り難う御座いま〜す」
「あゝ……カッパちゃんか〜っ? 来てくれたんだね! 態々?」
「どもども……三つ目ちゃん! 合羽の大量御購入、誠に誠に有り難う御座います」
はっは〜っ……カッパちゃん、ちょこんと座って、三つ指ついてペコリと、綺麗にお辞儀です。
「カッパちゃん! そんな、大袈裟な? 止めてよ!」
「どうか! 近うよれと! 仰って下さい、三つ目ちゃん!」
「良いよ良いよ。こっちこっち、お出で、お出でよ」
と、気だるそうに、手の平をパタパタ三つ目ちゃん。
「どうかどうか! このカッパめに、近うよれと仰ってくださいましな〜!!」
「(面倒臭い奴、来たな!)カッパちゃん、良いから頭上げてよ! わたしに、何だか訳の分からない罪悪感が……そうされてるとさ、沸々と込み上げて来るんだけど?」
「どうかどうか〜、このカッパめに近うよれと〜っ!!」
チラリと、三つ目ちゃんを見て。
「分かった分かった! はあっ! 近〜う寄ってよ、カッパちゃん!」
「(チラリ)近うよれと……」
「全くぅ! 近うよれえっ!!」
「はっはぁ〜っ! 有難き幸せに〜っ、御座いまぁすぅ〜るぅ〜っ!」
「はぁ〜っ! 全く! 態々来てくれなくても、近いうちに行く予定だったんだよ? お記録ちゃんとさ」
「時を逃さば、金成り金になり損なう等と、申しますからねぇ!」
「色々間違ってるよ? それ!」
「あはははは……よしなよしなに候候」
「笑って誤魔化されてもねぇ? で、商品綴りとか、見本、持って来てくれたの……かな? 無いね? どう見ても、手ぶらだよね? カッパちゃん?」
「ふっふふふふ……三つ目ちゃん、その三つの目は節穴ですかな?」
「持って来て無いよね! フンフン、フン! (じろりじろりじろり)どう見ても、持って無いし!」
「ほほ〜っ! まだまだ、甘いですね〜っ! 三つ目ちゃん!」
「お記録ちゃ〜ん、そっちから見て、何かある〜っ?」
「無いですけど……外の方でカサカサゴソゴソ、音がしてますけど!」
「外に待たせてるんだね! カッパちゃん!」
「面白くないな〜もう! お記録ちゃん! メッ!」
「すみません……」
「お記録ちゃんは、何も悪く無いって! カッパちゃん、とっとと見せてよ! 最新の合羽!」
「仕方無い……暫しの間、御耳を拝借! 御座い御座〜ああ〜い〜……遠路、は〜るばる、やって参り参り、ましましたりまする〜。河童ヶ淵より〜……」
「そう言うの良いからさ、現物早く見せてよ! カッパちゃん!」
「チッ! 御座い御座ぁ〜い〜! 四方、八方、上下、左右、十方、思案六法、やって参り参り〜っ、ましましたりまする〜……」
「だ、か、ら! 現物早く見せてって!」
「チッ! やって参り参り、ましましたりました〜。ざぶざぶ河童堂で御座いまする〜。以後〜お見知りおきを〜、お願い〜い……致しまする〜うぅ……パンパン! パンパン! パンパン! パン! かっぱっぱっぱぁ〜お出でませ〜! 何かご機嫌斜め見たいだから巻で、いくよ〜っ! かぱっぱの〜ぱぁあ〜あ! あぁ〜っ!!」
見栄を切る恰好で、態と大袈裟に振る舞う、カッパちゃん。
「お記録ちゃん、後が大変だぞ! 頑張れ〜!」
「大丈夫です。問題無しです」
かっぱっぱ〜! かっぱっぱ〜 かっぱっぱのぱ〜……。
ぞろぞろカサカサ、ぞろぞろカサカサと、色取り取り形様々な、合羽を纏った、河童累達がランウェイさながらに、歌い踊りながら入ってまいりました。
「色んな情報量が多すぎで……全然合羽に、目がいかないよ」
「うんうんうん……良し良し……皆んな入ったね! よ〜し、大口購入者様に、歓喜のご挨拶い致しますよ!」
「おい! 尻子玉くれ! 約束だぞ!」
「そうだそうだ、尻子玉くれ、くれ、くれ、くれ、くれ……」
と、壱斉にカッパちゃんに向けて駆け寄る河童累達ち。
「分かっ分かった! もう、欲しがり何だから〜! は〜い! 壱列に、並んだ並んだ〜っ!」
そそくさカサカサと、壱列にお行儀良く並ぶ、色取り取りの形様々な、合羽を纏った河童累達ち。
「じゃっじゃ〜ん! 此処へ取りい出したりますは〜、アイミ〜印の〜っ、尻子玉風吉備団子〜っ!」
「お〜っ!」
河童累達ちの、歓喜の声が場内に響き渡りました。
「壱個づつだぞ! はい、はい、はい……貰った奴から定位置戻った戻った……」
尻子玉風吉備団子を、口にほうばりご満悦の河童累達ち。
「さあさあ、お仕事、お仕事たぞ〜っ、さっさと戻った戻った! どうぞどうぞ、御覧下さいましな〜っ!」
機嫌よく等間隔で並び直し、準備位置に着く河童累達ち。
「お記録ちゃん、こっち来てよ! 好きなの選んで!」
「あっ、はい! 分かりました」
「カッパちゃん、壱杯あるから分かんないや! 軽く説明してよ」
「あの〜すみません?」
「どうしたの、お記録ちゃん?」
「あの方々がもぐもぐされてるモノが、ちょっと気になるんですが?」
「確か……吉備団子とか、言ってたな? カッパちゃん、どうなの?」
「おお、お記録ちゃん! これに、ご執心ですかね? 宜しい! お壱つどうぞ!」
「あっ、有り難う御座います! あれ? 思ったより、固いんですね! 此れ!」
「ふ〜ん(じろりじろじろ)……どうして無花果見たいな形何だ? 此れ?」
「そうですね、ちっちゃな無花果見たいですよね?」
「しかもそれは、厳しい審査を通ったアイミ〜印付きですからね! 尻子玉風吉備団子ですよ! 其れ!」
「尻子玉! げげっ!」
両手を広げ、少し後退る三つ目ちゃん。
「何もそんなに、大袈裟な! 尻子玉風ですよ! ふぅう! アハハハハ……」
「アイミ〜印付何ですか? アイミ〜さん、手広くやってられますね〜。カッパちゃん、食べても良いですか?」
「どうぞどうぞ、少し堅目の吉備団子ですから、お召し上がり下さいましな」
「頂きます! パクッ! モゴモゴモゴモゴ……」
「えっ! マジで! お記録ちゃん! チャレンジャ〜!」
「三つ目ちゃんも、お壱つどうですか?」
そっと、壱つ差し出されました。尻子玉風吉備団子。
「いやいやいや、いい! いい!! 遠慮しとくよ! カッパちゃん!」
物凄く嫌〜な顔をして、全力で嫌がる三つ目ちゃん。
「そうですか? では、わたしが頂きましょう! ぽん!」
モゴモゴモゴモゴ……。
「お記録ちゃん! どんな感じなの? それ!」
「モゴモゴ モゴモゴ……」
今は無理無理と、手の平をふるお記録ちゃん。
「……カッパちゃん?」
「モゴモゴモゴモゴ……」
今は無理無理と、手の平をふるカッパちゃん。
「何〜弐匹とも?」
「モゴモゴモゴモゴ……」
慌てて何とか仕様とするも、尻子玉風吉備団子に、悪戦苦闘するお記録ちゃん。
「ゴックン! ふ〜っ……お記録ちゃん! 御口で楽しんだら、其れ! 飲み込むしかないですよ! アイミ〜っちはコインさえ積み上げれば、言えば何でも作ってくれますからね! 重宝してますよ!」
「モゴモゴ、モゴモゴ(飲み込むんですか?)? モゴ(はい!)! ゴックン! ふ〜っ……」
「アイミ〜アイミ〜研究所さんには、無から有を生み出す、スンゴイ頭脳集団がいるって噂ですしね!」
「へぇ〜! そうなんだ! 其れは初耳だねぇ!」
「其れはそうでしょ! アイミ〜アイミ〜研究所に、直接行った方は、少ない筈ですよ? 正確な情報は、余りだしてませんからね! 目眩ましの情報ばかりですからね!」
「マジかよ! カッパちゃん、アイミ〜アイミ〜研究所に行った事あるの?」
「当然、其れはありますよ! 現に尻子玉風吉備団子を、大量購入してますからね! 上御得意様ですよ(ポンポン)! わたしは! あははははは……」
「紹介してよ! カッパちゃん!」
「あの〜……わたしも、アイミ〜アイミ〜研究所、行ってますけど?」
「えっ! お記録ちゃん、行った事有るの?」
「今、毎週通ってまして。お記録ですの試作を、アイミ〜さんと一緒に作ってますけど?」
「ええ〜っ! マジで! 今度、わたしも紹介してよ! お記録ちゃん!」
「良いですけど……カッパちゃんに、先程お願いされたんじゃ……?」
「近くにいるんなら! そりゃあ! 断然、怪しげな
カッパちゃんより、安心感のお記録ちゃんに頼むから!」
「カッパちゃん、良いですか? 良ければ、御壱緒でもしませんか? お話しも聞きたいですし」
「わたしは良いけど? 三つ目ちゃんに、わたし嫌われてる見たいだからなぁ? (チラリ)」
「何々々……わたしが、悪もんじゃん! 嫌ってないから! よ〜し皆なで行くぞ〜っ、アイミ〜アイミ〜研究所へ!」
「そんなに簡単には行けませんし……会えませんよ! 三つ目ちゃん! アイミ〜っちとは?」
「そうなの……? 定期購入してるんだろ! アレ!」
「定期購入じゃ無いですし、大量購入ですよ! 困りますねぇ、彼女は気難し屋さんですからね! でも、お記録ちゃんの奴は、プンプンお金のニオイが、傳わって来ますからね〜! アイミ〜っち、ご執心とわたしは見ましたね! アイミ〜っちに、会いたいなら! 断然お記録ちゃんに、予定を合わせるべきでしょうね!」
「じゃあ決まりだね! お記録ちゃん段取り組んでよ!」
「良いですけど? アイミ〜さんとは弐回に壱度位の感じでしか会えませんけど?」
「其れでも良いからさ……お願い?」
「分かりました。お出逢い出来そうな時、御知らせいたします!」
「お願いするよ」
「はい、分かりましたです」
「其処にわたしも、肖りましょうかねぇ!」
「よし! 決まりだね!」
「はい!」
「其れは其れで良いとして(河童累達ちを見ながら)……彼奴等、何処で見つけたんだ! カッパちゃん!」
「見つけるも何も、わたしの住んでる河童ヶ淵に壱杯いるよ! あの子達ち! 結構面倒見がいいから、わたしが居付いちゃったんだけどね! あははははは……」
「河童ヶ淵に、いるんですね! 何て仰る方々何ですか?」
「あゝ! 河童累だよ!」
「河童累さんて仰るんでか! 河童累さん達ち、遠路はるばるご苦労様です! ペコリ!」
モデルポ〜ズを取りながら、壱同、ひょこり飄々とお辞儀をしました。
「何時も尻子玉、尻子玉って言ってるけど? 何だろね尻子玉って? 本当のとこ良く分かんないんだよね……正直さ?」
「何ですか? 尻子玉って?」
「お記録ちゃん! 知らなくて、良いと思うよ」
「はいっ? そうなんですか、カッパちゃん?」
「彼女は、知っている見たいですね? 尻子玉が、何かを……?」
「其れは良いとしてさ! 三つ目ちゃん! 外に、ランドスケープちゃんと、ネンドロンちゃんいたね……それに……コルドロンちゃん? だったかな?……ワイワイ黒いウニョウニョしたベタベタな物、ペタペタしてたけど? アレ何作ってんの?」
「あゝアレ! 御池だよ! ランドスケ〜プちゃんにお任せでね」
「あ〜アレ? 御池だったんですか? やっと分かりました。でも、大きく無いですか? ここへ来る時、チラチラ見てますけど、結構な深さも有りますよね! 御池!」
「わたしも降下して来る時、上から拝見致しましたが、大きなクレ〜タ〜の様でしたよ! てっきり、大惨事の跡かと?」
「大袈裟だな〜、弐匹とも! ここがわたしの理想郷、ヴゥイ〜オト〜プのメインになるんだから。最低限あれくらいは無いとね! お安くて良い掘り出し物があるって、土器土器の器が総力を上げて、池の底に防水用の粘土張ってくれてるんだよ!」
「あれ! 粘土なのか? ウニョウニョした黑い奴!」
「わいわい楽しげに、作業されてましたよ! ネンドロンちゃん達ち」
「三つ目ちゃん、壱体何飼うんだい、あんな大きなクレ〜タ〜でさ!」
「失礼だな! カッパちゃん! 御池! 其れに、そんなに大きく無いからね! 何飼うって、パクパクだよ!」
「何ですかパクパクって?」
お目々をぱちぱち、興味津々なお記録ちゃん。
「お記録ちやん……興味あるの? 何なら、壱口乗ってみる?」
「興味は、ありますけど〜……? 壱口とか何ですか? 呼び方?」
「ほお〜っ、パクパクねぇ! なら、ちょっと小さく無いか? あのクレ〜タ〜じゃ?」
「良いんだよ! あれくらいが! 御池!」
「分かった分かった! パクパクねぇ! この部屋、ちょっくら拝見しても良い。三つ目ちゃん!」
「良いけど! 何も、変わったモノ何てないぞ!」
「パクパクの話し、長くなりそうだからさ! 気にしないで良いよ! さあさあ、続けて続けて!」
「見るだけだからな! あんまり彼方此方、物色したりしないでよ!」
「はいはい……分かった分かった!」
「三つ目ちゃん! パクパク、壱口ってのは? 何ですか?」
「あゝ……そうだったね? お記録ちゃん、御免御免……あっ! カッパちゃん駄目! それ触らないで! まだ乾いて無いから!」
「チッ! はいはい……」
「御免お記録ちゃん、話しの途中だったね? パクパクは壱匹じゃ無くてさ、壱口って数えるんだよ! ああっ! カッパちゃん! 其れも駄目だから、触らないでよ! 細かいとこ、折れちゃうから〜!」
「チッ! はいはい……」
河童累達をぞろぞろ引き連れて、お構い無しに、部屋を物色するカッパちゃん達ち。
「もう! 御免ね、お記録ちゃん!」
「いえいえ、大丈夫ですから! 始めて聞きました! 壱口って言うんですか?」
「そうそう、そうそう……壱口! それでさ! 壱口、壱萬ラックコインだけど、お記録ちゃん乗ってみる?」
「ん〜……? わたし議事録作成壱件で、壱阡伍佰ラックコインと、他のお仕事の分入れても……壱萬ラックコインは、ちょっと無理です?」
「そんなの! ギャンブラコッコで、壱発大物狙えば! 拾萬でも楽勝じゃん! 何ならコツ教えるよ!」
「わたし……ギャンブラコッコは……ちょっと……?」
「う〜ん……しょうがない! ドン!(と、胸を叩いて)せっかくパクパクに、興味持ってくれたんだし! わたし……壱肌脱がせてもらおうかな。わたしが個人的に、補助させてもらうよ! 思い切って、伍佰ならどう?」
「えっと、本当ですか! 伍佰ですか? 伍佰で、良いんでか?」
「良いよ! パクパクの魅力を、知ってもらいたいしさ……それくらい、お安い御用だよ! ドン!(と、胸を叩いて) 任せてよ!」
「……は、はい! そりなら是非、お願いします」
「そう、乗ってくれるの! じゃあさ、何色が良いかな?」
「色んなのが、いるんですか?」
「そりゃあ、いるよ! 知れば知る程、奥が深いんだよ! パクパクの世界ってさ」
「三つ目ちゃ〜ん、合羽どうする? もう良いだろ! 壱通り来てるんだよ! 河童累達ち、暇してるんだけど! 本当、なあ〜んも無いね! ここ! わたしも、見飽きちゃたよ! もう?」
「あっ! 御免、カッパちゃん! すぐ決めるから。お記録ちやん、パクパクの件は後で……!」
「はい! お願いします(ペコリ)」
カッパちゃんの元へ、駆けてゆく三つ目ちゃん。
「何してるの? お記録ちゃんもだよ……合羽要らないの!」
「済みません……色々な事が、あったので……ついつい」
「早く早く!」
手招きする、三つ目ちゃん。
「直ぐ行きますから、待って下さいよ!」
「カッパちゃん、説明してよ!」
「遅れてすみません?」
「ほいほい、待ちくたびれましたよ! では、壱番先頭のオ〜ソドックスなモノからご紹介致します。参りましょうか、アチラへ」
「簡単で、良いから! パッパッと頼むよ!」
「チップ……そうですか、パッパね? 分かりました。取り敢えず、先頭からパッパッと、ご紹介させて頂きます。」
「お記録ちゃん、良く聞いといてよ! カッパちゃん、お願い!」
「あっ! はい! お記録です、廻してますから大丈夫ですけどね?」
「ではでは……こちら、黄色い合羽です。よくある形の安っすい奴ね!」
「そうだね! 良く見る普通の合羽だね」
「はい! オッケ〜です!」
「で、これ! 外套合羽、通称、廻しとかトンビとか呼ばれてるね」
「廻し合羽」
「縞木綿合羽、通称は表」
「木綿長合羽、表の長いヴァージョンね」
「絣合羽、通称は裏」
「羅紗合羽、通称はまんま羅紗だね」
「袖羅紗合羽、通称は袖」
「雨合羽、通称は雨 特に雨耐性を強化したものね」
「外衣合羽、分からないけど……需要があって作ってるけど? 形だけの布製合羽お|勧めはしないよ! ビショビショになるからね?」
「CaPa、これは羅紗合羽と同じものだよ! 間違って名札付けて売っちゃてね、何故か売れ筋だからそのまんま、パステルカラ〜調にして出してる」
「それ言っちゃって、良いんですか?」
「良いよ! ちゃんと説明してから売ってるしね」
「そうですか?」
「羊毛羅紗合羽、通称、ウチウ〜ル」
「道中合羽、通称、股旅」
「紙合羽、通称は紙ね! ちゃんと和紙に特殊加工してあるから」
「桐油柿渋合羽、通称は柿渋」
「半合羽、通称は半! 羅紗合羽の半分採寸ね! 特注品扱いで扱ってるけど、用途は分かんないけど、結構出てるよ!」
「赤紫色猩々緋合羽、通称は猩々! 特殊加工の羊毛地のやつね」
「羊毛羅紗合羽、通称は羊羅紗! 猩々と羅紗の良いとこ取りの合の子だね」
「河童合羽、通称は河童! 河童塁達ちに傳わる秘伝の書に出てくる奴を復元したもの」
「お座敷合羽、通称緋風! 室内用で結構出てます!」
「勝羽合羽、雨皮合羽、天水合羽、浴合羽、天降合羽、天合羽、
いちよ持って来たけど、初期の作品ね! 販売はしてませんから、あしからず……はい! パッパッといったよ!」
「お記録ちゃん、どう?」
「はい……何か歴史を紹介されてるみたいで……へぇ〜て感じ何ですけど?」
「わたしもそう!」
「壱通り、御覧致けましたか! ではでは、参りましょうか! 我らの、カッパマキマキ・オ〜スィリィ〜イ・オシリココダマ號へ!」
「ええっ! カッパちゃん! ココに並んでるので、全部じゃ無いの?」
「此処に降ろしたのは、形を見てもらう為ですから。全ての形、全てのサイズに、佰色づつ、佰着づつ取り揃えておりますので! お決め頂きましたら。速で、納入させて頂けますので!」
「マジで! お記録ちゃん、行こ行こ! 好きなの選んでね」
「はぁっ、はい……で、何方にあるんですか? 合羽?」
「あの邪魔っ気な、クレ〜タ〜が! 本当邪魔で! あっちの丘の上ですね!」
「彼方の丘って、ちょっと遠く無いか!」
「モンクなら、あのクレ〜タ〜に言ってくれるかな? 三つ目ちゃん!」
「ん〜? 歩く、歩くから! 案内頼むのみよ! カッパちゃん! 池だからね!」
「まあ、歩き出せば、目と鼻の先程で、御座いますがね? あははははは……」
「河童ちゃん! 距離感大丈夫か……? あっちって、益荒男の丘だろ?」
「あゝ、益荒男の丘ですね! 結構な急勾配ですし? 心臓破りの坂ですよね」
「行くしか、無いだろう? 道は其れしか無いしね!」
「ですね!」
「お〜い! 戻るぞ〜葉乃葉雨降れかけとけよ! ではでは、参りましょうか? 三つ目ちゃん、お記録ちゃん!」
「嗚呼……仕方ないね! 歩こうお記録ちゃん!」
「ハイです!」
「今日は良いお天気で、さっぱり残念ですね!」
「何言ってるの? カッパちゃん! 良い天気で気持ち良いじゃん?」
「そうですよね……?」
「チッチッチッチッチッ……恵の雨が此れに(指で輪っかを作り)なるんでね!」
「銭の亡者め!」
「おやおやおや、お褒め頂き有り難う御座います。其れに、河童塁達ちの頭の御皿が乾かぬ様に、別で清水土偶と河童杓を常運ばないといけませんからねぇ」
「あの歩く坪と、杓を持ったのいるね?」
「雨降れ水は良いんですが? 河童ヶ淵を壱歩出ると不純物で壱杯ですからねぇ。立ち処に河童塁達ちに斑斑点が出てしまいたしてね。壱週間程濾過葉乃葉で濾過した清水に浸からないと、斑斑点が引きませんからねぇ?」
「そうなのか……結構彼奴等、繊細な奴等何だな?」
「嗚呼! 柄杓で御皿に、清水かけてます」
「さあさぁっ、彼処に黄門は見えておりますよ!」
「何よ! オウモンって?」
「アハハハハ……あちらでございます! では、ぴゅ〜っと、わたしはお先に……ばははははは、は〜いですよ〜!」
足を引っ込め、浮遊モ〜ドのカッパちゃん! あっ! と言う間に、カッパマキマキ・オオスゥリィ〜イ・オシリコ・コダマ號の、黄門へと行ってしまいました。
河童累達ちは、かっぱっぱ〜、かっぱっぱ〜、かっぱっぱ〜のぱ〜と、ぞろぞろカサカサ、ぞろぞろカサカサと、大股で愉しげに歌いながら歩いてゆきます。
「お記録ちゃん、わたし達ちも飛ぶよ!」
「えっ! わたし、飛ぶの苦手何ですけど? ゴクリ!」
「益荒男の丘、登ってくるんなら! 止めないけど?」
「……いえ……飛びます!」
「じゃあ、いっくよ〜! はいや〜!」
「はっ、はい! はぁ〜っ!」
お記録ちゃんと、先へ飛ぶ三つ目ちゃん。
ふわふわふわふわ……。
何とか、黄門へとたどり着きました。
「ようこそ、我が城へ! ペコリンコで、御座います!」
「あれ〜入口、以外と狭いねぇ!」
「あの〜すみません! まだ、ドキドキが止まらないで! ハァハァッ……少し、休みませんか?」
「これ位の飛行で何ですか? おへたれちゃんですね、お記録ちゃん! どうですか! 中でティ〜タイムと、洒落込みましょう!」
「だってさ、中でゆっくりしようよ! お記録ちゃん! 頑張れ!」
「はい! 宜しくお願いします。ふ〜っ……」
「大卍〜っ、グルグルグルグル〜ノ、グゥルゥ〜ウゥ〜ウウ〜リ〜イ!」
カッパちゃんの言葉を受け、黄門が半渦巻き回転しながら、穴を廣げる様にして開いてゆきます。
ジジ……ジジジジジジ……ジジジ……。
カッパちゃんを先頭に、次々に中へと消えてゆきます。
ジジ ジジジジ ジジジジジ……
何かの、電波障害につきまして、
この先、お記録無しです。
すみません。わたしの不徳の致す所です。
研究所用の合羽は、
普通合羽の形で、
黄色地に、虎柄模様をあしらう為。
別注になったもよう
カッパちゃんのチッが、
止まりませんでした。
佰着纏めて、後日納品となりました。
追記
オマケで、わたしも普通合羽の、
ハートレッドと、言われた色にしました。
背中側にスリットが入って、
鞄を背負うとポッコリする
背負い鞄仕様の、
特別なものにしてくれるそうです。
もうわくわくが、止まりません。
楽しみです。
三つ目ちゃん、有り難う御座います。
佰壱着の大量購入特典で、
かっぱっぱ〜と唱えると、
棒の先に緑の渦巻きが出来て、
雨よけが出来る棒を、頂きました。
三つ目ちゃんが、
入らないと言われたので、
わたしが、頂きました。
結構重宝してますよ。
三つ目ちゃん欲しがっても、
もうかえしませんよ!
ちょっとした雨なら、
合羽より良いかもです。
第八回 議事録作成
お記録・モッチ〜