先を見透す目
今日の天気は崩れるのだろうか
早朝の蒼空と暁色を見ながら、そんなことを思う
いつか…
先を見透す目なんて要らない
そんなもの欲しくない
そう言っていた人がいた。
先を見透せた方が、
あの時にうまく進めたのではと、
いくつかの道から、
望んだ正しい道を選べるのではと、
そんなふうに思ったこともある
見ることで成功することが見える
見ることでその先に失敗が見える
進む先の終わりが見える
避けがたい不幸も見える
幸せも…
幸せも、もしかしたら見えるかもしれない
でもそれは幸せなのだろうか?
見えて欲しくない幸せ
見える幸せが、選べない幸せなら
それはたぶん幸せじゃないのではないか?
掴み取るからこそ
選べるからこそ
幸せなのだと
君はそう言いたかったのか
ふと涙がこぼれた
先がわかってしまう
そんなことは必要ない
君は何を見ていたのだろう
君が幸せになる道だろうか
誰かが幸せになる道だろうか
君は、幸せになる道を選んだのか
先を見透すこと
ひとにはそんな力はいらない
ひとはただ、愚直に進んで
あとに道を作ればいい
知っていても
知らなくても
結局は、自らが先を
できるだけの道を、切り開くのだから
朝の空を見て、
そんなことをおもった
天のことは天が決めたらいい
人が決めなくてもいい
雨ならば、
人は濡れるか、傘を差すかを選ぶのだから
天に決められたときが訪れたのなら
君に会いたい
そうしたら今度こそ言おう
君と出会えたことは幸せだったと
ありがとう
今の自分があるのは
君のおかげだと……