幼馴染で許嫁。
「おにぃ、おにぃ! 今月は何人でござるか?」
「何がだ。」
「またまた~! 分かってるくせに! 告白してきた女子の人数で、す、よ!」
「言うわけないだろ。」
「おっ! てことは、最低でも一人は居たわけですな。いやいや、相変わらずおモテになりますなぁ! 許嫁として吾輩も鼻が高ぅございますよ!」
「何が許嫁だ。酔っぱらった親父同士が適当に交わした約束に意味なんざあるか。」
「いやいや! 酔っぱらっていようとなかろうと、約束は約束ですぞ! しっかり書面もございますからなぁ!」
「馬鹿らしい。」
「照れ隠しキタコレ!! その仏頂面に隠された確かな照れ、ここに頂きましたァァ!!」
「…………。」
「うっひょっひょ! そんな怖い顔されても吾輩は全然怖くないですぞぉいひゃいひゃいいひゃい!? ほ、頬はやへて、! ほっへははぁ~~っ!!」
「ったく、……。」
「し、しかしですな、おにぃ……。仮にも花の女子高生である吾輩の部屋。それも風呂上りというなんともトレビアンな空気漂うなかになんでもない関係の血のつながらない男が入ってくるというのは、許嫁を否定している上でいかがなものかと……。」
「あ”? 次のテストがヤバいからって窓を開けて勝手に俺の部屋に飛び込んできたのはどこの猿だ?」
「…………わたし、です。すいません。」
「そのくせに、一向にテスト勉強を開始しようしないくそ野郎はどこの馬鹿だ? お”?」
「…………それも、わたしです。すいません。」
「帰って良いな。」
「待ってぇぇぇ! 勉強する、! ちゃんと勉強するからお願いおにぃ! 今度の範囲本当にヤバいの、! このままじゃ本当にヤバいのぉぉお!」
「毎回同じこと言ってんじゃねえか! ああ、くそ抱き着くな放せ!!」
「ふふ、っ! そんなこと言いつつも吾輩のおっぱいの感触に実は嬉し恥ずかし思春期万歳の、」
「おやすみ。」
「ごめんなさいぃぃいいい!!!」