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砂時計  作者: 柳真
1/1

#1

続きを書くかは分かりません





「また会えるかな?」






君が言ったこの言葉は今でも忘れない。













ある年の夏、

僕の高校野球人生は

幕を閉じた。


最後の夏の背番号は8。

本当は1がよかった。


でも

しょうがなかった。


何度かつけた背番号1は

僕が背負うと

いくらか不甲斐ない。







僕の彼女は同い年のマネージャー。



とても仕事熱心で

とても楽しい子だ。







僕らが入学して間もなく


彼女は3年生の野球部の先輩と付き合い


その時僕はあまり意識はしていなかった。




夏には僕も彼女ができ、




そしてクリスマス前に振られた。







いつ彼女と先輩が別れたかは知らない。




いつから僕と彼女が仲良くなったかは分からない。




けど




いつしかピッチング練習後のアイシングの時、




彼女が持ってきてくれるのを期待していた。






少しだけ話す


たわいもない会話



とても幸せだった。


それが唯一練習中に顔が緩んでしまう時間だ。






何ヵ月かそんな関係が続いた後、



僕らは付き合い始めた。




その頃にはもう何も気兼ねなく話せる仲だった。







エースとマネージャー。


タッチを連想する人もいると思う。


だけど実際は似ても似つかない。



でもまた違うタッチを


二人は作っていた。



練習が終わった後

2人で階段に座って話したり


反対方向の彼女の家の途中まで自転車で一緒に帰ったり


小さな手紙を交換し合ったり



ラブラブというより仲良しという言葉の方がしっくりきた。




休日はもちろん試合か練習。



どこかに遊びに行ったという記憶はほとんどない。




むしろそんな状況さえも2人は楽しさに変えた。




とても幸せな時間が流れた。




だけど僕はその安心感を


時間を重ねると共に



履き違えていくようになった。

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