朝の準備。
朝起きると、まだ太陽は上がってなかった。
ぐっと背伸びをして、電気を付ける。
トイレに行って、手を洗い、顔も洗う。
ここでようやく、朝だなぁと実感する。
ボサボサの寝癖が付いた髪を一つにまとめて、服を着替えたら、朝と夜の狭間の街へ出掛ける。
まだ日が昇って無いからか、凍えるように寒い。
白い息が、リズムに乗って踊り出す。
数分歩いていると、身体の中から熱が出てくるのが分かる。
暖かい。
ふと、空を見ると、月のある夜空に紅が差していた。
草木が朝の準備をしている。
子供達のお母さんが朝御飯の準備をしている。
魚屋が、百姓が、サラリーマンが、お母さんが、草木が。
犬が、猫が、鳥が、猿が。
皆、朝の準備をしている。
私も、朝の準備をしないと。
街は少しずつ賑わい始めている。
四作目です。
初投稿→恋味ソーダ
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二作目→とある幽霊のお話
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三作目→独占欲
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