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僕が生きた22年。  作者: 拓郎
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生きるって言うことは辛いことばかりだ。

幸せなことなんて一握りしかない。

人はそんなちっぽけな幸せのために生きなければならない悲しい生き物だ。

きっと心が壊れてなければ、少しは幸せを感じることができたのかな。


狭いアパートに引っ越してきて僕の新しい生活が始まる。

新しい家に少なからず興奮していた。

当時はきっと貧乏になってしまったなんて思考はなかった。

純粋だった。


近所に友達もできて、新しい生活は貧乏ながらも幸せだったのかもしれない。

学校に馴染めなかったのは相変わらずだったが、近所の友達と遊べてもいたので、そんなに気にはしてなかった。


小5になり、僕は行事などにも参加せず、やさぐれていた。

みんなと仲良くしたり協力したりする事が嫌で仕方なかった。

でも新しい担任が、そんな僕を変えてくれた。

いじめなどには真剣に向き合ってくれ、僕が足の骨を折って入院してしまった時も何度も見舞いに来てくれた。

小学校を卒業する頃、僕は明るい性格になっていた。

何事もポジティブに考え、誰とでも仲良くしよう。そう言うような性格になっていた。

あの時の担任には、今でも感謝している。


中学に上がってからは、小学生の時のように周りに馴染めないと言ったことはなく、それなりに友達もできて充実した生活をおくっていた。

好きな人ができたり、部活をしたり、いろんなことがあった。

そのまま何事もなければ、今も明るくてポジティブな性格でいられたのだろうか。



中学三年生になってからは、姉は自立して父親と二人暮しだった。

そんな10月のある日、僕が家に帰ると、いつも敷きっぱなしだった布団がしまわれていて、置き手紙とほんの少しの小銭が置いてあった。


「貴方を育てていくことができなくなりました。不甲斐ない父親をどうか許してください。このお金でおばあちゃんに電話をかけて下さい。」


僕は手紙を見て、頭が真っ白になった。


自分がこんな思いをするなんて、思ってもみなかった。



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