僕は産まれた。
全てを諦めて、楽になる道を選んだ男のお話です。
きっと心には響きません。
不愉快に感じるかもしれません。
それでも読んでくれる方がいる事を信じて、投稿します。
いま、人生を迷っている方の力になれたらいいと思います。
自分は何のために生まれてきたのだろう。
誰しもが一度は考えると思う。
僕もずっと考えてきた。
今思い返してみたら、色んな人に迷惑をかけたし、辛いことばかりだった人生。
本当に僕は生まれてきて良かったのだろうか。
普通の人生を送りたかった。
みんなが当たり前だと思うような人生を。
僕が産まれたのは、お金持ちの家だった。
父親は会社の上に立ち、多くの貯金を持ち、母親はとても美人。
まだ僕が物心のつかない頃、色々な所に連れて行ってくれた。
物心のつかなかった僕は、それが当たり前の事なのかも、幸せだという事も分からずにいたんだ。
そんなある日、父親と母親が大喧嘩を始めた。
母親はガラス瓶を投げ付け、父親は顔に大怪我を負う。
母親が父親に黙ってお金を持ち出しては大量に使っていて、他の男とも会ったりしていたらしい。
父親は救急車で運ばれ、母親は僕達を追いて、そのまま家を出ていった。
父親は腕の皮を顔に移植して、なんとか一命は取りとめた。
僕の人生はここから、狂い始めた。
お金を使い尽くされ、一文なしになってしまった父親はそのまま寝込んでしまい、入院。
僕らは祖母と祖父と共にしばらく暮らすことになった。
当時はまだ幼稚園だった僕は、父親は病気になってしまい入院したんだ。
ただ単純に、病気になってしまっただけだと。
僕は小学一年生になった。
祖母達はとても厳しく、父親が入院して以来外には遊びに行けなくなった。
元々引っ込み思案もあり、コミュニケーションの取り方がいまいち分からなかった僕は、案の定いじめられる事になる。
同じクラスの生徒には勿論、教師にも、鈍臭い、暗いなどと言われ続けた。
遊びにも入れてもらえず、ただ学校が終わる時間を待つ毎日。
家に帰れば、まるで監禁されているかのような生活。
この辺りから僕の心は、閉じ始めていたのかもしれない。
ある日、父親が退院した。
これでまた前のように生活が出来る。
僕は少しだけ喜んだ。
そして僕は、住んでいたマンションを離れ、父親と姉と共にボロアパートへと引っ越しをした。
当時の僕は、この時、何故引っ越しをする事になったのか分からなかった。
もしかしたら、自分が貧乏になってしまったことを、無意識に認めたくなかったのかもしれない。