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僕が生きた22年。  作者: 拓郎
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僕は産まれた。


全てを諦めて、楽になる道を選んだ男のお話です。

きっと心には響きません。

不愉快に感じるかもしれません。


それでも読んでくれる方がいる事を信じて、投稿します。


いま、人生を迷っている方の力になれたらいいと思います。

自分は何のために生まれてきたのだろう。

誰しもが一度は考えると思う。


僕もずっと考えてきた。

今思い返してみたら、色んな人に迷惑をかけたし、辛いことばかりだった人生。

本当に僕は生まれてきて良かったのだろうか。


普通の人生を送りたかった。

みんなが当たり前だと思うような人生を。


僕が産まれたのは、お金持ちの家だった。

父親は会社の上に立ち、多くの貯金を持ち、母親はとても美人。

まだ僕が物心のつかない頃、色々な所に連れて行ってくれた。

物心のつかなかった僕は、それが当たり前の事なのかも、幸せだという事も分からずにいたんだ。


そんなある日、父親と母親が大喧嘩を始めた。

母親はガラス瓶を投げ付け、父親は顔に大怪我を負う。

母親が父親に黙ってお金を持ち出しては大量に使っていて、他の男とも会ったりしていたらしい。


父親は救急車で運ばれ、母親は僕達を追いて、そのまま家を出ていった。

父親は腕の皮を顔に移植して、なんとか一命は取りとめた。

僕の人生はここから、狂い始めた。


お金を使い尽くされ、一文なしになってしまった父親はそのまま寝込んでしまい、入院。

僕らは祖母と祖父と共にしばらく暮らすことになった。

当時はまだ幼稚園だった僕は、父親は病気になってしまい入院したんだ。

ただ単純に、病気になってしまっただけだと。


僕は小学一年生になった。

祖母達はとても厳しく、父親が入院して以来外には遊びに行けなくなった。

元々引っ込み思案もあり、コミュニケーションの取り方がいまいち分からなかった僕は、案の定いじめられる事になる。

同じクラスの生徒には勿論、教師にも、鈍臭い、暗いなどと言われ続けた。

遊びにも入れてもらえず、ただ学校が終わる時間を待つ毎日。

家に帰れば、まるで監禁されているかのような生活。

この辺りから僕の心は、閉じ始めていたのかもしれない。


ある日、父親が退院した。

これでまた前のように生活が出来る。

僕は少しだけ喜んだ。

そして僕は、住んでいたマンションを離れ、父親と姉と共にボロアパートへと引っ越しをした。

当時の僕は、この時、何故引っ越しをする事になったのか分からなかった。

もしかしたら、自分が貧乏になってしまったことを、無意識に認めたくなかったのかもしれない。



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