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詩集<君に届け!>

刃は心にこそ

作者: papiko

他人を攻撃するのはとても簡単で

うさばらしなら匿名でいくらでもできて

それですっきりしたような顔で

生きる人々


心が干からびて砂漠よりも

救いようのないありさまになっても

気が付くことさえなく

その末路など想像すらしない哀れさに

神と名乗るものは答えもしない


あたし(カンジョウ)の首には常に白刃がぴたりとあてがわれ

(リセイ)はいつでもその首を切り落そうと柄を握る


自らを守る剣を私はあたしに向けている


時にあたしはその刃に自らの首を刺し貫き嗤う

私をその血で濡らし潤すために


あたしの血で赤黒く染まった私は

深くため息をついてしかたなく(ハカリゴト)を遂行する


他人がこれが正義と唱えるものに

冷徹にわかりませんといい

嫌がらせのように説明してくださいなと笑いかける


心の干からびた人間は怒りをあらわにするか

何も聞かなかったという顔をして去っていく


知らぬ間に打ち込まれた毒矢に

そのうち侵食されて壊れていくだろうとあたしが嗤う


私は再びあたしの首に白刃をあてる

お前はいたずらが過ぎると青色吐息を吐きながら


私はできるかぎりこの悪魔を外へ出さないように

その切っ先に自らの命をのせる


あたしは猛禽(もうきん)の目をして嗤う

その白刃を再び己の血で染めて児戯(ジギ)を歌う機会をうかがいながら


私はあたしの首に白刃をあてる


たとえどんなに心が干からびているといえども

この悪魔(あたし)人間(たにん)を殺す権利などないのだから


生殺与奪の権利など誰の手にも握られてはいけない

どのみち命というものは時が来れば尽きていくのだから


お優しいことでとあたしが嗤う

しかたがないさと私は呆れる


そうすることでしか生きられない

それが【わたし】という人間だから


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― 新着の感想 ―
[良い点] 相手の顔が見えない、見えないから見ない、見ようとしない。それより言いたいことをぶつけて発散する。それを自由だという。権利と言う人もいる。 一昔前だったら、正気の沙汰じゃない、心をなくした人…
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