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紺碧の覇者 戦艦武蔵   作者: 賀来麻奥
予期せぬ戦況
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13/63

セイロン沖海戦

 更新遅れて申し訳無いです。これからもよろしくお願いします。

日本陸軍の侵攻は目まぐるしい物があった。既にインドネシアをほぼ制圧し、ビルマも首都のラングーン間近にまで到達していた。一方、ビルマから駆逐された英国軍は反攻に出るためインドとカラチに本国から物資を細々と補給していた。細々行ったというより行わざるを得なかったのである。なぜなら本国からここまでくる途中にドイツの潜水艦の被害にあう船が多かったからである。

 陸軍はインド打破を、海軍は東洋艦隊の撃退のためにまず、海軍がインド洋にあるセイロン島・インドの英国軍要所を叩き艦隊と基地を破壊する作戦に出た。その後は陸軍が航空隊で制空権を奪取した後にインドを奪取するというものだった。

 真珠湾と同じく機動部隊で英国軍の根拠基地を叩く。軍令部の方針はそれで決定し、南雲中将が再び指揮を執ることとなった。


 さて皆さんは情報の重要性というものを知っているだろうか。それは必要に値しないものだったり、時には何百万人という人間を死を追いやることもある。この大東亜戦争は情報の漏洩と誤解により生じたものである。

 この日本海軍の行動は出港した二日後に米国に筒抜けだったのである。英国は米国の情報を頼りに迎撃作戦を立案した。なんせ『到着日時は四月八日』とまで伝えられたのだから、たまったものではない。

 

 三月一日 日本艦隊はフィリピン南部にあるパラオ諸島から出撃した。フィリピンではいまだ戦闘が続いているが、勝利は時間の問題とされている。このパラオは日本海軍が重宝する軍事拠点である。元々は第一次世界大戦でドイツ軍を駆逐し、パリ講和会議で委任統治領として受け取った島である。委任統治領には軍事施設を築いてはならないと決められていたが、その後の国際連盟脱退により国際法を守る必要性がなくなった日本軍が次々軍事施設を建造したため現在はこのような状態となっている。


第一航空艦隊

第一航空戦隊:赤城、加賀

第二航空戦隊:飛龍、蒼龍

第五航空戦隊:翔鶴、瑞鶴


第一艦隊

 第三戦隊戦艦:金剛、比叡、榛名、霧島

第二艦隊

 第八戦隊:利根、筑摩

第一艦隊

第一水雷戦隊:阿武隈

 第一七駆逐隊 - 駆逐艦:谷風、浦風、浜風、磯風

第二艦隊

 第四駆逐隊:萩風、舞風

 第一八駆逐隊:陽炎、不知火、霞、霰


 上記の艦隊表は各艦隊が複合されているが改編されたため正しくは、全て第一航空戦隊所属艦である。また以下の小沢中将の南遣艦隊も大きく改編されている。


第一南遣艦隊

重巡洋艦:鳥海、熊野、鈴谷、三隈、最上

 軽巡洋艦:由良、川内

空母:龍驤、駆逐艦:汐風

 駆逐艦:夕霧、朝霧、白雲、天霧、初雪、白雪、吹雪、磯波


 

 これに対し東洋艦隊はオランダ海軍の軍艦も合わせ以下の編成で待ち伏せを行った。

 正規空母:インドミタブル、フォーミダブル

 軽空母:ハーミーズ

 戦艦:ウォースパイト、レゾリューション、

 重巡洋艦:コーンウォール、ドーセットシャー

 軽巡洋艦:エンタープライズ、エメラルド、ダナエ、ドラゴン

 駆逐艦:一二隻

 

 オランダ艦隊

 軽巡洋艦:ヤコブ・ヴァン・ヘームスケルク

 駆逐艦:一隻


 四月八日という米国の情報を頼りに待ち伏せを行った東洋艦隊だったが日本海軍は現れなかった。なぜなら日本海軍は一三日に作戦を延期していたからである。


 一二日にコロンボ南方二〇〇海里にようやく日本海軍は進出してきた。翌日に艦隊の上空にて飛行艇を発見した。零戦がこれを撃墜するが既に位置情報は送られてしまった。

 


 第一次攻撃隊二〇〇機がセイロン島のコロンボを攻撃すべく出撃した。この攻撃途中位置情報を取得した英国攻撃隊一〇機とすれ違った。すれ違ったといっても英国側は全く気づいていなかった。おまけに高度も低いという最悪なポジションだった。航空戦は敵に見つかる前に敵機を発見し、敵より優位な高度から襲い掛かるのが最良な方法である。つまり英国側は最悪なポジションだったのだ。

 さらにイギリス軍機は第一次世界大戦の機体と錯誤する二枚翼の複葉機であった。そもそも攻撃機であり戦闘機ですらない。おまけに魚雷を積んで速度も運動性も最悪である。

 零戦がすぐさま襲い掛かった。一言で表すなら鎧袖一触だった。

 英国機は全滅、日本機は一機も撃墜されなかった。



 一〇四五 コロンボ上空に攻撃隊が差し迫った。迎撃に上がった来た英国機を零戦が蹴散らす。対空砲火も撃たれるが二〇〇機を上回る攻撃隊を止めることはできなかった。急降下爆撃隊がタンカー・飛行場・商船などに攻撃を開始。続いて、水平爆撃隊が船舶・桟橋・兵舎・修理工場・鉄道等に攻撃を開始し、至る場所から黒煙があがった。だが肝心の東洋艦隊は違う場所にいた。空母フォーミタブル、インドミタブルと戦艦を基幹としたA艦隊、その他はB艦隊とアッドゥ環礁にいた。

 代わりに商船二隻、仮装巡洋艦・駆逐艦各一隻を撃沈したが全体としての戦果は思わしくなかった。

 

 一一一八 第一次攻撃隊隊長の淵田中佐は第二次攻撃隊を準備されたしと打電した。


 

 攻撃を終え着たい集合地点に戻ってきた攻撃隊は直後ハリケーン四〇機もの編隊による攻撃を受けた。これにより艦爆が五機炎上または四散した。だが護衛の零戦が奮闘した。 全員ベテランである上に機体性能も零戦の方が勝っている。これにより一九機を返り討ちにさせた。


 間もなくしてA艦隊にコロンボ空襲の知らせが入るとB艦隊のコーンウォール、ドーセットシャーの二隻に合流するように命じた。


 

 だがこの二隻の重巡洋艦は日本の偵察機によりに発見された。

 

 先の報告で地上攻撃すべく第二次攻撃のため魚雷から爆弾への装備変更が航空母艦では行われていたが、巡洋艦攻撃のため爆弾から魚雷への装備変更が行われた。

 

 この時五三機が攻撃準備可能状態にあったため南雲中将はこれを先に出撃させた。


 一五四五 九九艦爆が二隻の巡洋艦を補足した。攻撃隊は太陽を背に接近した。

 一六二九 突撃を開始した。急降下爆撃隊が二隻の巡洋艦へと襲い掛かる。攻撃隊はまるで敵艦の動きが見えているかのように敵の進行先へ爆弾を投下した。至近弾が水柱をあげる。命中した甲板上では紅蓮の炎が一つ二つ三つと破片とともにまきあがった。破片は対空砲を放つ乗員を容赦なく刺殺し、爆風と熱風は猛威を振るった。雨あられと投下される爆弾は次々命中し上部甲板のほとんどを破壊し、火薬庫や機関室へと貫通し炸裂した。


 脅威の命中率だった。通常急降下爆撃機の命中率は四発投下して一発程度だがこの時日本軍がたたき出した数字は九割に近かった。コンウォールには一五発、ドーセットシャーは三一発という爆弾が命中し撃沈せしめた。

 日ごろの訓練の成果である。


 英国A艦隊は巡洋艦の仇を討とうと南雲機動部隊への攻撃を試みたが、タイミングを見切れずこの日は失敗した。

 

 翌日一三日、南雲機動部隊はセイロン島北部のトリンコマリー攻撃に向け移動を開始した。

 一五一七 トリンコマリーの観測機が南雲機動部隊を発見し英国の船舶は脱出を開始した。だが一〇隻ほど退避が遅れた。

 第一次攻撃隊の零戦三六機と爆撃機一一九機が襲撃してきた。

 迎撃体制を整えてきた英国機だが零戦の性能にはかなわずワンサイドゲーム状態にはならなかったが四機を撃墜したのに対し、英国側は地上破壊を含め五〇機にも達した。

 爆撃隊が飛行場・施設・艦船多数を破壊し、軍事施設としての機能を喪失させるまでには至らなかったが、大損害を被らることに成功した。

 しかし輸送船の攻撃が不十分と判断されたため『第二次攻撃の要あり』と打電があった。



 この日第一南遣艦隊は三隊に別れ敵船舶の撃沈を命じられていた。南遣艦隊は三日前より作戦を展開しており、戦果は驚くことに商船二三隻を撃沈、八隻を大破させたのである。

 また近藤信竹中将は潜水艦による通商破壊作戦を発令し貨物船六隻・小型帆船四隻を撃沈した。

 


 既に商船を含めて三〇隻以上を喪失した英国東洋艦隊だったが、戦艦榛名の偵察機が空母ハーミスを発見した。このため先日と同じく第二次攻撃のために爆弾装備を魚雷装備に変えていたが、また魚雷装備への換装が行われた。

 ただ空母と言ったものの護衛空母であり二〇機程度しか搭載できない。

 発進可能な零戦六機と攻撃機八〇機を発進させた。護衛機がやや少ないが護衛空母相手ならこれで十分である。


 発進した時エレベータの下には相次ぐ換装により魚雷や爆弾があった。整備兵もやれやれといった表情だった。


 その時観測員が叫んだ。「艦長、艦直上に敵機です!!」

 

 次回 五月一八日

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