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暑さのせい

作者: 椎名魅莉

「暑い…」


そんなに俺を苛つかせたいのか、容赦なく照りつける太陽に俺は嫌悪感を覚える。


「家に帰ったら真っ先にクーラーつけてやる…!」


もとはといえばあの生意気な妹がアイスが食べたいと駄々をこねたのが始まりだ。


「そしてあいつをこき使ってる…!」


そんな大人気ない事を思いつつ家に帰る。


「おーい!買ってきたぞー!!」


「おっそーい!!」


スーパーの袋を掲げて帰ってきた俺に感謝の言葉ではなく文句をたれてきたのは生意気な妹ではなく、幼なじみ兼彼女の風華(ふうか)だった。


「お前何でここに…ってうお!?」


俺は思わず後ずさる。


「何そんなに驚いてんの?」


「おっおま!!だって…服!!」


風華の服は背中が丸見えのキャミソール(?)にもう少しでパンツが見えるのではないかと思うくらいの短パンという出で立ちで、いくら夏でも露出度が高い。


いくら彼女でもいきなりそんな姿で出迎えられると驚く。


「服…?あー…だって暑いんだもん。いいからアイスー」


驚いている俺が恥ずかしいぐらいに平然に言って俺が持っているスーパーの袋をみる。


袋をみているためキャミソールからチラチラと谷間が見え隠れする。


あー!!俺は何でそんなとこみてんだ!!変態か!?


香澄(かすみ)ちゃんが動くのめんどくさいから持ってきてってリビングで駄々こねてるんだよー」


風華がハハハッと困ったように、だが少し嬉しそうに言う。


あいつ…兄貴の彼女パシんなよ…


「よし、これにしよ!じゃあ私香澄ちゃんと遊んでるから」


パッと選び、クーラーがきいているリビングに戻ろうとする。


そのため、俺に背を向ける。


俺の目には風華の綺麗な背中とうなじがはっきりとうつる。


ガシッ


「…?どーしたの?」


思わず風華の手首を掴む。


そして軽く抱き抱きしめる。


「……あんまそんな服着てっと…理性たもてないから」


俺はそう言うとすぐさま階段を上り、部屋に入る。


そして扉の前に座り込んだ。


(俺は……何て事を言ってしまったんだ!!!!)


後悔してももう遅く、言った自分の顔が火照っているのがわかる。


「絶対あいつ変な目で俺のことみはじめるって~変態って言われるー…あぁー…」


俺はこの後風華にあったら何て言おうかウジウジと考え込んだのであった。










「んーアイスまだー風華ちゃーん…ってどうしたの!?顔真っ赤だよ!?」


「へっ!?いっいや別に何でもないよ!さっさぁーアイス食べよっかー」


(あいつ…いきなりあんな事言うなんて…)


「…?うっうん!」


(あんなあいつはじめて…あーもうドキドキがとまんないよぉー!!)


二人の想いはすれ違う…。


(そうだ。悪いのは夏だ夏!!俺は熱中症だったって事にしとけ!!)


(そうだよ!あいつ暑さのせいで頭がおかしくなっちゃったんだ!後でお見舞いに……うん。着替えてから行こう!!)


そんなある真夏の出来事…。


ー終ー



お久しぶりです!最近書いてなくて少しスランプ気味(いつものことですが 汗)ですが、楽しんで読んでくれたら嬉しいです(^-^)

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