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一人百物語 2

よく言われるとこ

作者: 犬猫夜行
掲載日:2026/07/20


以前入院した時、同じ病室だった新田さんから聞いた話。

新田さんの知人の楢崎さんがやはり入院していた時の事、

入院第一日目の夜、楢崎さんはなかなか寝付けず、ベッドの中で寝返りばかりをうっていた。

そしてやっとうとうとしかけた頃、肩が冷える気がして、布団をかけ直そうと自分の肩のあたりに目をやると

ベッドの敷布団と同じくらいの高さのところに、顔があった。

楢崎さんの目の前で、ギョロリと目を見開け歯をむいて、知らない中年男がにいっと笑った。

「……!」

楢崎さんはそのまま気を失ってしまった。


翌朝、あまりに怖かったので病室を変えてもらう様に言ってみた。駄目だろうとは思っていたが、あっさりと変えてもらう事が出来た。

あとでその部屋で療養している人たちに聞いてみると、楢崎さんがいた病床では、大概の人が怖い体験をした、と

<よく言われるとこ>

であるらしかった。

その病床で療養中、何か異変を言ってきた場合は病室や病床を変えていたらしい。


しかし楢崎さんがいたのは婦人科の病棟である。

そこにどうして男の顔が出るのかは不明である。




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