公爵家の食卓を十年支えた料理番の私が辞めた朝、坊ちゃまは初めて泣きました
最終エピソード掲載日:2026/03/24
蜂蜜は最後に入れる。先に入れると苦みが出る。
十年間、マーサは毎朝それだけを考えて公爵家の厨房に立ってきた。
夫である公爵が愛人の料理人を連れてきた日、マーサは包丁を磨き、エプロンを畳み、静かに門を出た。振り返らなかった。
向かった先は、亡き祖母が食堂を営んでいた港町。
潮風の中で出会ったのは、食べ物の感想だけは饒舌になる寡黙な交易商。
一方、残された公爵家では、七歳の坊ちゃまが新しい料理長の食事を一口も食べられずにいた。卵と乳製品のアレルギー。その対応を知っていたのは、マーサだけだった。
包丁を置いてきた女の手には、祖母の形見のまな板がひとつ。
空っぽの厨房に残された三本の包丁が、やがて公爵家の食卓だけでなく、二つの国の関係までも揺るがすことになる。
十年間、マーサは毎朝それだけを考えて公爵家の厨房に立ってきた。
夫である公爵が愛人の料理人を連れてきた日、マーサは包丁を磨き、エプロンを畳み、静かに門を出た。振り返らなかった。
向かった先は、亡き祖母が食堂を営んでいた港町。
潮風の中で出会ったのは、食べ物の感想だけは饒舌になる寡黙な交易商。
一方、残された公爵家では、七歳の坊ちゃまが新しい料理長の食事を一口も食べられずにいた。卵と乳製品のアレルギー。その対応を知っていたのは、マーサだけだった。
包丁を置いてきた女の手には、祖母の形見のまな板がひとつ。
空っぽの厨房に残された三本の包丁が、やがて公爵家の食卓だけでなく、二つの国の関係までも揺るがすことになる。
第1話 包丁を置く朝
2026/03/24 12:03
第2話 潮風の朝市
2026/03/24 12:03
第3話 空っぽの食卓
2026/03/24 12:03
第4話 商人の食卓
2026/03/24 12:03
第5話 蜂蜜とナッツのパン粥
2026/03/24 12:03
第6話 禁忌の食卓
2026/03/24 12:03
第7話 三杯目の涙
2026/03/24 12:03
第8話 対面の席
2026/03/24 12:04
第9話 毎朝の食卓
2026/03/24 12:04
第10話 いらっしゃいませ
2026/03/24 12:04