第1話:高校入学!僕らの青春はここから始まる!
私立交響高校。偏差値60以上で令嬢や御曹司も通う由緒正しい高校だ。
なにを隠そう!僕がこれから通う高校だ!
4月1日。私立交響高校の入学式。
僕、"春野ひなた"は不安と興奮を胸に交響高校に向かう。
ひなた「今日から高校生だ。友達100人できるかな~」
???「友達100人よりも、目の前の電柱に気をつけな」
ゴン!
ひなた「いったぁぁ」
僕の隣で「お前本当にドジだな」と笑いながら言っているのは、
幼馴染である"北宮ヒバナ"だ。
人より少し顔がよくて、勉強できて、運動神経がよくてetc…
よくよく考えたら、"ヒバナ"は高スペックなのかもしれない。
性格以外は揃っている気がする。
ひなた「おぉ神よ、この"ヒバナ"という男に天罰を」
ヒバナ「なんか物騒なこと言ってるな」
そんな会話をしていると
「あ、あの、すみません。近くにコンビニってありますか?」
などとワンチャン狙いの女子高生、略してOJKが"ヒバナ"に声をかけてくる。
僕もいるんだけど、見えてないのかな?と思いながら、会話を聞く。
ヒバナ「スゥ。エッとあの角をマガッル右にマガってアル。」
OJK「ごめんなさい、もう一度教えてもらってもいいですか?」
ヒバナ「スゥ。えっと、そのー…あーの、角マガッて、すり抜けて戻って…」
OJKが困惑している。
そういえば"ヒバナ"は、女性と上手く会話できないんだった。
よくわからないこと口走ってるし、助け舟を出してあげよう。
ひなた「ずっと真っすぐ行った先に交番があるので、そこを左に曲がった先に、サークルJウェルカムがありますよ」
OJK「わぁ!びっくりした…」
本当に見えてなかったらしい。恋は盲目とはよく言ったものだ。
OJK「可愛らしい方ですね。彼女さんですか?」
このOJKは誰の事を言っているのだろうか。女なんてどこにもいないけれど。
きっと「彼女いるんですか?」を緊張して言い間違えたのだろう。
ひなた「こいつに彼女はいませんよ。見ての通り女子耐性ないので」
OJK「そうなんですか!?あまりに可愛いから、彼女さんかと思いましたよ…じゃあセーフですね。」
ひなた「えーと、何か勘違いしていそうなので言いますと、僕は男ですよ」
すごい、人ってこんなにも目が丸くなるんだ。
その後、何かを悟った風のOJKは「そういう恋愛もいいと思いますよ」っと言い、去っていった。
絶対に変な誤解をしているが、いなくなったので良しとしよう。
そして、横でやり取りを聞いていた"ヒバナ"が爆笑していたのは言うまでもない。
家から学校までは片道徒歩30分。
その間に僕だけ側溝にはまったり、カラスに襲われたりしたが、
無事に僕たちがこれから通う高校についた。
新品だった制服も今ではもうボロボロだ。
いや、このセリフは卒業間際の言葉だろうなと思いつつも、クラスへと向かう。
最後までお読みいただきありがとうございます!
低頻度ではあると思いますが続きも出していこうと思いますので、2人の行く末を見届けてくれると嬉しいです!