カフェオレ
恋の話をしよう「カフェオレ」
サクッ
また、やっちゃった。
何度目だろう、
モヤモヤするとやってしまう。
リストカット、
でも、これやると気持ちいい。
天国に吸い取られるような……
……白いものが見えてくる。
「何だ、天井か」
病院の中、
左腕に包帯、右腕に点滴、
「痛っ、」
今回のは、結構深かったな。
放っておけばよかったのに、
死んじゃえばよかったのに、
みんな嫌い、
やだやだ。
病院の帰り、
いつものコンビニ。
弁当をレジに持って行く。
いつものお兄さん。
私が行くと、ニコッと笑ってくれる。
スッ、
包帯の手首を隠す。
「弁当、温めますか?」
「はい、温めます」
それだけの会話…
ある雨の日、
母と喧嘩して家を飛び出した。
「もう嫌だ、」
ずぶ濡れになって街をさまよう。
頬が濡れる。
涙なのか雨なのか、
わからない、わからない…
…どのくらい時間が経ったんだろう。
気がつくと、いつものコンビニの前に立っていた。
財布を探す。
無い、
仕方なく、コンビニの前で雨宿りをしていた。
雨は降り続く。
このまま、死のうかな…
突然、カフェオレの匂いがした。
「はい、サービス」
いつものお兄さんが、カフェオレを持って立っていた。
ニコッと笑う。
美味しかった、
温かかった…
その後、お兄さんは、いなくなった。
私は、相変わらず包帯の手首で弁当を買う。
「弁当、温めますか?」
「はい、温めます…」
「…そして、カフェオレ」