表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

カフェオレ

恋の話をしよう「カフェオレ」


サクッ

また、やっちゃった。


何度目だろう、

モヤモヤするとやってしまう。

リストカット、

でも、これやると気持ちいい。

天国に吸い取られるような……


……白いものが見えてくる。

「何だ、天井か」

病院の中、

左腕に包帯、右腕に点滴、

「痛っ、」

今回のは、結構深かったな。

放っておけばよかったのに、

死んじゃえばよかったのに、

みんな嫌い、

やだやだ。


病院の帰り、

いつものコンビニ。

弁当をレジに持って行く。

いつものお兄さん。

私が行くと、ニコッと笑ってくれる。

スッ、

包帯の手首を隠す。

「弁当、温めますか?」

「はい、温めます」

それだけの会話…


ある雨の日、

母と喧嘩して家を飛び出した。

「もう嫌だ、」

ずぶ濡れになって街をさまよう。

頬が濡れる。

涙なのか雨なのか、

わからない、わからない…


…どのくらい時間が経ったんだろう。

気がつくと、いつものコンビニの前に立っていた。

財布を探す。

無い、

仕方なく、コンビニの前で雨宿りをしていた。

雨は降り続く。

このまま、死のうかな…


突然、カフェオレの匂いがした。

「はい、サービス」

いつものお兄さんが、カフェオレを持って立っていた。

ニコッと笑う。


美味しかった、

温かかった…



その後、お兄さんは、いなくなった。



私は、相変わらず包帯の手首で弁当を買う。

「弁当、温めますか?」

「はい、温めます…」


「…そして、カフェオレ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ